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2022年5月を振り返ると、まるで梅雨のようにぐずついた所もあれば、極端に少雨の所もありました。梅雨の沖縄は記録的大雨で日照不足に。関東は5月としてはヒンヤリした日が多かったものの、5月下旬に過去10年間で最も遅い初真夏日となった同日に、猛暑日を記録するなど、気温の変化がめまぐるしくなりました。あすから6月がスタート。天気や気温の傾向は?

沖縄は「記録的大雨」と「日照不足」

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沖縄地方では5月4日頃に、奄美地方では5月11日頃に梅雨入りしたとみられると発表がありました。(沖縄地方は平年より6日早く、奄美地方では平年より1日早い梅雨入り)

梅雨入り後は、梅雨前線が沖縄付近に停滞しやすかったため、5月の月降水量は、沖縄、奄美地方では平年の5月1か月分の降水量の2倍から3倍になった所が多くなりました。
28日(土)は宮古島地方に、きょう31日(火)は沖縄本島地方に記録的短時間大雨情報が発表され、猛烈な雨を観測した所もありました。
宮古島では5月の月降水量が800ミリを超える大雨となり、観測史上1位の雨量となりました。(これまでの通年1位は1985年8月の751.0ミリ)

また、沖縄・奄美地方では、5月1か月の日照時間は、平年の40%以下にとどまり、那覇は62.7時間、石垣島は71.9時間など、5月としては観測開始以来、最も少なくなりました。(31日午後5時まで)

きょう31日(火)も沖縄本島地方や先島地方を中心に大気の状態が非常に不安定で、発達した雨雲がかかりやすくなっています。大雨となった後ですので、土砂災害に警戒してください。激しい雨や落雷、竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。

九州~北陸の日本海側では「少雨」の所も

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本州付近も、前線や低気圧の通り道となり、九州から関東の太平洋側ほど雨雲がかかりやすく、まるで梅雨のようにぐずつきました。
東京都心は5月中に1.0ミリ以上の雨が降った日は、31日間のうち13日もあり、5月の降水量は198.0ミリで平年の1.4倍となりました。(31日午後5時まで)
本来であれば快適な日が多い5月ですが、東京都心は5月の始まりも終わりも雨となり、過ごしやすいと感じられた日が例年よりも少なく感じられたかもしれません。

一方、雨雲がかかりにくかった地域もありました。
九州北部から北陸は、雨が少なく極端な「少雨」となった所もあります。
5月の月降水量は、広島31.0ミリ、福岡で45.0ミリなどと、平年の2割から3割程度にとどまりました。(31日午後5時まで)

関東 10年間で最も遅い初真夏日 同日に全国初の35℃超

各地で天気の変化に伴って、気温の変化が激しくなりました。
5月の平均気温は、日照が多かった北海道と東北で平年より高く、北海道のオホーツク海側で平年より2℃くらい高くなりました。

関東は天気がぐずつきやすく、気温の変化が大きくなりました。
5月上旬から中旬にかけて最高気温が20℃を下回った日が6日あり、長袖が必要なくらいでしたが、5月下旬は急に暑くなった日もありました。

5月29日(日)には、東京都心を含む関東の広い範囲で今年初めての真夏日が観測されましたが、過去10年間(2013年~2022年)で最も遅くなりました。
同日の29日(日)は、全国で今シーズン初めての猛暑日が関東で観測され、いきなりの猛烈な暑さとなりました。(最高気温 群馬県高崎市上里見、栃木県佐野市ともに35.2℃)
5月中に全国で初めての猛暑日が観測されたのは、2019年5月25日に大分県竹田市で35.0℃を観測して以来、3年ぶりのこととなりました。

東京都心は、きょう5月最終日の午後6時までの最高気温は20.4℃で、きのう30日(月)より7℃低く、最後まで気温の変化がめまぐるしくなっています。

*追記:字句の修正を行いました。

6月の天候は?

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あすから6月がスタートします。

気温は、暖かい空気に覆われやすく、沖縄・奄美、西日本、東日本で「平年並みか高い」見込みです。北日本は「平年並み」でしょう。
これからさらに気温が上がりやすくなる上、湿度も高くなる時期で、熱中症にかかる危険性が高まります。
適宜、人混みでない限りはマスクを外し、暑さが予想される日には、無理をせず涼しい場所で、こまめな水分補給を行うようにしてください。

降水量は、沖縄・奄美は平年並みか少なく、晴れる日が増えてくるでしょう。
西日本や東日本の降水量は平年並みか多く、日照時間は平年並みか少ない見通しです。

本格的な雨のシーズンが近づいてきていますので、天気予報はこまめにご確認ください。

【北日本】北海道・東北地方
【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方

梅雨入り 最新の予報は?

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当初の予想では、梅雨前線の北上が早まり、梅雨入りは「平年より早い」傾向でしたが、予想に変化が出てきました。

最新の日本気象協会2022年梅雨入り予想では、広い範囲で梅雨入りするのは「6月中旬頃」になりそうです。

理由としては、来週にかけて北からオホーツク海高気圧が本州付近まで強まる予想となり、梅雨前線を押し下げるためです。
太平洋高気圧の北上が強まるのは「6月中旬頃」となり、このタイミングで九州から東北にかけて、一斉に梅雨入りとなる見込みです。

九州~関東は「平年より遅い」梅雨入りとなるでしょう。北陸や東北は「ほぼ平年並み」です。
九州から東海は6月11日頃、関東甲信や北陸、東北南部は12日頃、東北北部は15日頃と予想されます。

梅雨入り前から周期的に雨が降り、降ればザっと強まる日も出てきそうです。
早めに大雨の対策を行っておきましょう。