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気象庁は、頻発する線状降水帯による大雨災害の被害軽減のため、6月1日から「線状降水帯予測」を開始します。早めの避難につなげるため、半日前から情報提供が開始されます。

「線状降水帯予測」6月1日から開始へ

近年、線状降水帯(※)による大雨によって毎年のように甚大な被害が引き起こされています。気象庁は頻発する線状降水帯による大雨災害の被害軽減のため、6月1日から産学官連携で世界最高レベルの技術を用いた線状降水帯予測を開始します。

早めの避難につなげるため、まずは「九州北部」など大まかな地域を対象に半日前から情報提供が開始されます。たとえば、深夜や未明の状況を日中のうちに予想して、明るいうちに避難の心構えができることになります。

気象庁のホームページでは、[防災情報]→[気象防災] 気象情報の中の「大雨に関する○○地方気象情報」で発表されます。また、「台風第○号に関する気象情報」の中で線状降水帯の可能性に言及されることがあります。

なお、tenki.jpでも線状降水帯予測が発表された場合は日直予報士などで随時お知らせいたします。

※「線状降水帯」とは

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「線状降水帯」とは、積乱雲(発達した雨雲)が、線状に次々に発生して、ほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、非常に強い雨のエリアです。次々に発生した積乱雲が、数時間にわたって、ほぼ同じ場所を通過・停滞するため、長い時間、非常に強い雨が降り続き、大きな災害の要因となる集中豪雨を引き起こすことがあります。

梅雨入り後は「線状降水帯」の発生に一層警戒を

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球磨川や飛騨川、最上川といった大河川での氾濫などが相次いだ「令和 2 年 7 月豪雨」では、活動が活発な梅雨前線の影響で、西日本から東日本の広範囲にわたり、長期間の大雨となりました。特に、顕著な大雨となった7月3日から8日にかけては、線状降水帯が九州で多数発生し、甚大な被害につながりました。

このように前線の活動が活発になると、線状降水帯の発生しやすい気象条件になることがしばしばあります。

まもなく6月。九州から東北でも梅雨が近づいています。今月24日発表の3か月予報では、6月は九州から関東甲信では降水量が平年並みか多い予想で、特に、九州から近畿を中心に湿った空気が流れ込みやすく、梅雨入り早々、大雨となる恐れもあります。

大雨や洪水に関する警報、土砂災害警戒情報など大雨に関する情報に加え、「線状降水帯予測」が発表された場合は、避難情報を確認し、早めの避難を心がけてください。