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今年の5月から7月にかけては、全国的に気温が高くなる傾向です。5月は季節外れの暑さの日が多く、ゴールデンウィークから熱中症に注意が必要です。6月、7月と本格的に暑さが厳しくなるでしょう。雨の季節、大雨にも警戒が必要です。

5月~7月 暑さの理由は?

気象庁は19日、5月~7月の天候の見通しについて「3か月予報」を発表しました。

5月~7月は、地球温暖化の影響等により、全球で大気全体の温度が高いでしょう。太平洋熱帯域西部で海面水温が高く、積乱雲が発生しやすい見込みです。これらの影響で、平年に比べて、チベット高気圧が北側で強く、上空の偏西風が平年より北を流れる見込みです。
このため、太平洋高気圧はいつもの年に比べて、北への張り出しが強まりそうです。

5月 カラッとした暑さの中でも熱中症に注意

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北日本、東日本、西日本は、5月の気温は、平年よりも高い見込みです。
ゴールデンウィーク中も、最高気温が25℃以上の夏日や30℃以上の真夏日など、この時期としてはかなり暑くなる所が多々出てきそうです。
降水量は平年並みで、5月らしく晴れる日が多い予想ですが、短い周期でくもったり、雨が降ったり天気がコロコロと変わるでしょう。

沖縄・奄美では気温、降水量ともに平年並みの予想です。梅雨入りの平年日は、沖縄地方が5月10日ごろ、奄美地方が5月12日ごろです。5月に入ると、くもりや雨の日が続きやすく、梅雨らしい天気になるでしょう。

まだ体が暑さに慣れていない季節、本格的に暑くなる前の今のうちに「暑熱順化」を行っておくと良さそうです。「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れることです。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなります。

日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクトが作成した「暑熱順化ポイントマニュアル」によると、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切です。日常生活の中で、運動や入浴をすることで、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための動きや活動を始め、暑さに備えておくと良さそうです。

6月 蒸し暑さで不快感アップ 西ほど大雨警戒

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6月の気温は、全国的に平年並みか高い見込みです。
6月前半はカラッとした暑さの日もありますが、後半には湿度も上がり、ムシムシとした湿気を感じる不快な暑さになってくるでしょう。

降水量は、北日本、東日本は平年並み、西日本は「平年並みか多い」予想で、大雨に警戒が必要です。

例年6月上旬には、九州北部から関東にかけて続々と梅雨に入り、雨の季節がやってきます。今年6月は、南の太平洋高気圧の北への張り出しが強い予想が出ているため、西日本ほど、平年よりも早い時期から大雨に警戒が必要になることが考えられます。

雨の季節を前に、あらかじめ避難場所や避難経路を確認しておくなど、日ごろからできる備えをしておきましょう。

市町村が作成しているハザードマップや、地域防災計画を見て「自分の住む地域は、どのような災害のリスクがあるのか」「災害が発生した時の避難場所はどこか」「安全な避難経路はどこか」など確認しておきましょう。その際、氾濫の恐れがある河川や、土砂災害の恐れがある所も確認しておくと、避難経路を決める時に役立ちます。また、自宅だけでなく、学校や職場など、よく立ち入る場所はどのような危険があるかも、家族で一緒に確認しておきましょう。

また、非常用持ち出し袋を準備して、防災用品が十分であるかを見直し、確認をしておくと良さそうです。

7月 本格的な暑さ到来

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7月の気温は、北日本、東日本、西日本で平年並みか高く、沖縄・奄美は平年並みの予想です。
降水量は全国的に平年並みでしょう。7月前半は梅雨らしく、梅雨明け後は、本格的な暑さがやってきそうです。

毎年、梅雨明けの後は、晴れて気温が高くなる日が続くことが多くなります。梅雨の間に、しっかりと暑熱順化できていないことで、熱中症による救急搬送者数が急増します。梅雨明け前から体を暑さに慣らしておきましょう。

万が一、熱中症にかかってしまった際には、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて氷やペットボトルなどで、首、わきの下、足の付け根を冷やすようにしましょう。経口補水液やスポーツドリンクなどで、水分や塩分をとるようにしてください。

意識がない場合や、自力で水分をとることができない場合には、すぐに医療機関で診てもらうようにしましょう。

本格的な夏がやってくる前から、危険な暑さに注意が必要です。今のうちに少しづつ、暑さに慣れておきましょう。

《地域の説明》
【北日本】北海道・東北地方
【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方