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冬に関するイメージや雪や寒さへの対策について、3000人を対象にアンケートを実施しました。アンケート結果からは、回答者が住んでいる地域によって違いが浮かび上がりました。天気の傾向と共に解説します。これから本格的な冬に入りますが、しっかり対策をして冬を乗り越えていきましょう。

あなたの思う「冬の空」とは? 地域によって違いが明らかに

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いよいよ年末も近づいてきて、本格的な冬に入っています。皆さんは「冬」についてどのような印象をお持ちでしょうか。

今回、Yahoo!ニュースの協力を得て、全国にお住まいの皆さまに冬に関するアンケートを実施しました。その回答をもとに、日本気象協会の気象予報士が地域ごとの冬の天気や気温について解説します。

※各都道府県ごとにアンケートを実施していますが、北海道については面積が広く地形による天候の差が大きいため、道北、道東、道央、道南に細分してアンケートを実施しました。

皆さんは「冬の空」というと、どのような空を思い浮かべるでしょうか。

「あなたのお住まいの地域で、冬の空といえばどんなイメージですか?(単一回答)」と聞いたところ、大きく分けて3つの空イメージに分かれることが分かりました。

お住まいの地域と、皆さん思う「冬の空」のイメージと一致しましたでしょうか。

日本列島の冬の天気傾向について簡単に説明すると、冬は大陸由来の強い寒気が西から流れ込むため、日本海側では大雪になりやすいです。一方で、太平洋側では山から吹き下ろす乾いた風が吹き、晴れの日が多くなります。

それでは、各地域の冬の空のイメージを確認できたところで、それぞれの冬の特徴についての違いを見ていきましょう。

冬の間に気を使うことは? 地域によって大きな違いが

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皆さんは冬の間に何を気にして過ごすでしょうか。

「あなたが冬の間に気を使うこと何ですか。(複数回答)」と聞いたところ、地域によって気を使うことが大きく違うことが分かりました。

代表地点として、北海道(道央)、新潟、東京、大阪、福岡、沖縄の回答をそれぞれ見ていきます。

北海道や新潟のような、気温が低く雪が多く降る地域では、東京、大阪、福岡、沖縄に比べて「路面凍結」「雪かき」「落雪」「水道管凍結」に気を使うことが多いようです。

冬の期間(12月~2月)の平均気温は札幌市(北海道・道央)で-2.3℃、新潟市で3.7℃です。さらに、最低気温はほぼ毎日氷点下になりますので、路面凍結や水道管凍結が起こりやすいのがこれらの地域の特徴になります。

また、冬の間に降る雪の量の平年値は、札幌市で369センチ、新潟市で130センチ、豪雪地域で知られる湯沢町(新潟)では864センチにもなります。冬の期間中は毎日のように雪かきをしたり、落雪に注意したりして生活をする必要があるのもこの地域の特徴です。

一方、東京、大阪、福岡、沖縄では「乾燥」「静電気」「火災」「インフルエンザ」に主に気を使って冬を過ごしている方が多いことが分かりました。

これらの地域の冬の間に降る雪の量の平年値は0~8センチと、北海道や新潟に比べてとても少ないです。また、降水量も1年の中で最も少ない期間に当たり、一年で一番乾燥する時期になります。人口の多い都市部もこれらの地域に含まれますので、感染症にもより一層注意をして生活している方が多いと考えられそうです。

このように、冬の天候の違いによって普段の生活で気を使うことにも影響があることがわかりました。

「冬支度」は何をしますか? 雪国ならではの工夫も

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秋から冬にかけての冬支度にも地域差はあるのでしょうか。

「あなたが今お住まいの地域で行う、あなたの「冬支度」を教えてください。(複数回答)」と聞いたところ、各地域で冬支度の内容に違いがあることが分かりました。

北海道や新潟に在住の方は、東京、大阪、福岡、沖縄に在住の方に比べて、全体的に複数回答における選択数が多かったことが特徴的でした。雪が多く寒さが厳しい地域であるがゆえに、よりたくさんの冬支度をしなければならないことが伺えます。

全ての地域の方に回答数が多かったのは「衣類・靴の防寒(衣替え)」だったのですが、北海道や新潟に在住の方は「衣類・靴の防寒(衣替え)」と同じくらい「冬用タイヤに履き替える」と回答している方が多くいました。

さらに、「庭木の雪囲いをする」「除雪道具・機器のメンテナンス」「衣類・靴の防水・撥水」などの大雪への対策についても、北海道や新潟では東京、大阪、福岡、沖縄に比べて対策されている方が多いことが分かりました。

また、北海道在住の方で「その他」の回答の中で特に目立ったのが「窓に断熱シートを貼る」でした。北海道の冬は常に氷点下となりますので、窓からの冷気も遮断が必要なようです。

「冬支度」の時期は? 早めに終わらせる地域はどこ?

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それでは、これらの冬支度は、いつ頃行うのでしょうか。

「冬支度について、今年はいつ頃行ったものが多いですか?(単一回答)」と聞いたところ、ほとんどの地域で11月頃に行った人が多いようでした。

ただし、このアンケート実施時の11月下旬時点で「まだやっていない」と回答した方が、北海道は6.9%であるのに対し、新潟24.1%、東京25.0%、大阪20.2%、福岡19.8%、沖縄57.2%でした。ほかの地域に比べて冬が早くやってくる北海道在住の方は、雪の多く降る新潟なども含めた北海道以外に在住の方に比べて早めに冬支度を完了しているようです。一方、冬の間も気温が比較的暖かく、雪もほとんど降らない沖縄では、冬支度ものんびりとしているようでした。

なお、今年の11月は、寒気の影響が弱かったうえに南から暖かい空気が流れ込みやすかった影響で、北日本では気温がかなり高くなりました。そのような中でも冬支度の時期にこれだけの差があったため、例年の寒さであればさらに差が大きくなっていたかもしれません。

「今年一番の寒さ」 あなたはどんな防寒対策をする?

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冬の外出時の防寒対策は、地域によっても差があるのでしょうか。

「あなたお住まいの地域で「今年一番の寒さ」となった日に外出する際の防寒対策を教えてください(複数回答)」と聞いたところ、北海道、新潟、東京、大阪では「手袋をつける」を選択した人が最も多くなっていました。

北海道や新潟では「スノーブーツを履く」と回答した方が多く、雪が降る地域の特徴も見られました。一方、沖縄では「カイロを使う」と答えた方が最も多く、そのほかの地域とは違う傾向が見られました。

とはいえ、どの地域でも「今年一番の寒さ」の時には万全の防寒対策をするようで、これまでの質問に比べて地域ごとの大きな差は見られませんでした。

あなたは冬が好きですか? 嫌いな人が多い結果に

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ここまで、各地域の冬の期間中の対策を見てきましたが、皆さん冬は好きなのでしょうか。

「あなたは冬が好きですか」と質問をしたところ、全国的に「嫌い」と回答した方が多い結果となってしまいました。中でも、寒さの厳しい北日本や雪が多い日本海側の地域を中心に「嫌い」と回答した方が多い傾向にありました。一方で、「好き」と回答した方が多い地域もあり、沖縄や鹿児島、静岡など比較的冬でも暖かい地域が目立ちました。

これから本格的な冬となりますが、寒さや雪への対策をしっかりして冬を乗り越えていきましょう。私たち気象予報士も、気象・防災情報などの情報を発信し、皆さまの生活を少しでも支えていけるよう努力してまいります。

この記事は日本気象協会とYahoo!ニュースによる共同企画記事です。

Yahoo!ニュースが実施したアンケート調査を活用しています。

アンケートは11月22日~11月25日に、全国のYahoo!クラウドソーシングユーザーを対象に行い、3000人(北海道在住の方1000人、北海道以外に在住の方2000人)から有効回答を得ました。