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9月7日に雪化粧した富士山。気象庁では「初冠雪」を観測しましたが、異例の見直しとなりました。9月20日に、一日の平均気温が、今年最も高くなったからです。

気象庁による「富士山の初冠雪」 異例の見直しの理由は?

気象庁では、富士山などの山で、初めて「冠雪」した日を「初冠雪」として、観測しています。富士山の初冠雪は、現在では、甲府地方気象台から目視で観測していて、今シーズンは、9月7日に観測しました。

ただ、富士山の山頂は、夏でも雪が降ることがあります。どのタイミングが「初冠雪」なのか、見極めるには「一日の平均気温が、その年の最も高い日」の後に、山頂付近が雪などによって白く見える様子が、麓の気象台から見えたことが、観測の条件です。

今年は、富士山山頂の8月4日の一日の平均気温が9.2℃で、気象庁では、その後、この観測値を上回る可能性が低いと判断したことから、これが「1年の中で最も高い値」として、9月7日の雪を「初冠雪」としていました。

しかし、その後、9月20日に一日の平均気温が10.3℃を観測。そのため「1年の中で最も高い値」が更新されたことによって、9月7日の富士山の初冠雪は、見直しになりました。

富士山の初冠雪 平年は? 最も遅い記録は?

なお、気象庁によりますと、記録が残っている2009年以来、富士山の初冠雪を見直したことはないということです。

また、富士山の初冠雪を振り返りますと、平年は10月2日で、最も遅い記録は2016年10月26日です。

一度は、平年より大幅に早まると思われた、今シーズンの富士山の初冠雪ですが、2021年9月7日の雪は「幻の初冠雪」となりました。

富士吉田市による「富士山雪化粧宣言」は 9月7日のまま

一方、富士山が雪化粧をしても、甲府地方気象台との間に、雲が広がる時などは、初冠雪の観測が遅れることもあります。そのため、地元の富士吉田市役所富士山課では、独自に、「富士山初雪化粧宣言」を発表していますが、今シーズンの「初雪化粧宣言」は、9月7日に発表されたままで、こちらは見直しはないということです。