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6月を振り返ると、様々な出来事がありました。暑さが更にレベルアップして、全国初の「猛暑日」や、都心で初の「真夏日」になりました。また、関東甲信~東北で梅雨入りの発表があり、雨が強まったことにより、全国で初めて「顕著な大雨に関する情報」も発表されました。7月早々、太平洋側では大雨になりましたが、この後は、どうなるのでしょうか?

東京都心で今年初の真夏日 全国で今年初の猛暑日

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2021年の6月のスタートは、九州を中心に、暑くなりました。1日の最高気温は、福岡県久留米市で33.8℃まで上がり、真夏日地点数は76地点と、今年初めて、70地点を超えました。

この暑さは、翌週になると、一段とレベルアップしました。

8日は、東京都心では、最高気温が31.4℃と、今年初の真夏日(最高気温30℃以上)になりました。なお、昨年、東京都心で初の真夏日になったのは6月9日で、最高気温31.0℃を観測しました。

9日は、九州を中心に、猛烈な暑さになりました。最高気温は、福岡県久留米市で35.6℃、佐賀市と大分県日田市で35.1℃と、全国で今年初めて猛暑日(最高気温35℃以上)になりました。

関東甲信・北陸・東北 平年より遅い梅雨入り

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そして、6月中旬には、梅雨入りが遅れていた地方で、続々と梅雨入りしました。

14日には、関東甲信で、平年より7日遅く、雨の季節を迎えました。関東甲信の梅雨入りは、ここ10年で最も遅くなりました。

18日には、北陸でも平年より7日遅く、梅雨入りの発表がありました。梅雨前線の雨雲は北へ広がり、19日には、東北南部と東北北部が、一度に梅雨入りしました。東北南部は平年より7日遅く、東北北部は平年より4日遅い梅雨入りでした。

これで、梅雨のない北海道を除く、すべての地方で、雨の季節に入りました。ただ、今年の梅雨入りは、東海から西では平年より早く、関東甲信から北では平年より遅くなりました。

なお、平年より5日早く、5月5日ごろに梅雨入りした沖縄では、平年より11日遅い7月2日に梅雨明けを迎えました。沖縄では、今年は梅雨の期間が長かっただけでなく、那覇では、梅雨の期間の降水量は、平年の約2倍と、雨量の多い梅雨になりました。

※梅雨は季節現象であり、梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、この梅雨入り・梅雨明けの発表は速報値です。秋に再検討され、見直されることがあります。

「50年に一度の大雨」や「記録的短時間大雨情報」 線状降水帯が発生

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また、沖縄以外でも、雨が強まりました。13日には、梅雨前線の影響で、鹿児島県徳之島では「50年に一度の記録的な大雨」となった所がありました。

雨雲が発達したのは、梅雨前線の影響だけではありません。6月後半は、上空に寒気が入ることが多く、あちらこちらで、大気の状態が不安定になりました。

そのため、数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析した時に、各地の気象台が発表する「記録的短時間大雨情報」が相次ぎました。14日には北海道と山形県で、15日には沖縄県と岩手県で、16日には鹿児島県で、22日には長野県で、25日には群馬県で、28日には北海道で「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

そして、この6月は、新たな大雨の情報がスタートした月でもありました。

気象庁は、17日13時から「顕著な大雨に関する情報」の提供を始めました。これは「線状降水帯」と考えられる雨域が確認され、なおかつ、土砂災害や洪水災害の危険度が、急激に高まってきた場合に、緊急的に発表する情報です。

この提供が始まったばかりの「顕著な大雨に関する情報」が、29日、全国で初めて、沖縄本島地方に発表されました。沖縄本島北部では、線状降水帯による非常に激しい雨が、同じ場所で降り続いているため、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が、急激に高まっているとして、気象庁は厳重な警戒を呼びかけました。

その沖縄では、梅雨末期の大雨となり、同29日には、沖縄本島に近い、沖縄県粟国村で「50年に一度の記録的な大雨」となった所がありました。

7月の雨や暑さは どうなる?

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さて、7月に入り、沖縄は梅雨明けしたものの、この先の雨や暑さは、どうなるのでしょうか?

気象庁が1日に発表した最新の1か月予報によりますと、この先1か月全体の平均気温は、北海道や東北で「平年並みか高い」、関東甲信から九州、沖縄・奄美では「平年並み」でしょう。ただ、7月下旬~8月上旬は、平年ですと、一年で最も暑いという所が多い時期です。これから迎える本格的な暑さに向けて、万全な暑さ対策が必要です。マスクをしていても、こまめな水分を補給してください。

また、この先1か月全体の降水量は、関東甲信や東海、北陸で「平年並みか多い」予想です。梅雨の最盛期を迎え、大雨エリアは本州が中心になるでしょう。ただ、九州から近畿では、降水量が「平年並み」でも油断はできません。福岡や広島などは、平年ですと、7月は一年で最も降水量が多い月です。梅雨末期の大雨に対して、日ごろからハザードマップを確認するなど、備えを心がけてください。