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25日(日)仙台管区気象台に新しいレーダーが設置されました。激甚化する大雨をより正確にとらえ、予測精度の向上も期待されます。

14年ぶり 新しいレーダーに更新

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25日(日)新型の気象レーダーが仙台管区気象台に設置されました。気象庁が全国に20か所設置している気象レーダーを順次更新中で、仙台では14年ぶりに新しいものに変わりました。

新型の特徴は「二重の電波」

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新型の気象レーダーはこれまでとどう違うのでしょうか。大きな特徴は、電波が二重になることです。

そもそも気象レーダーは、アンテナから電波を発射し、雨や雪などにあたって反射した電波を受信する装置です。発射した電波が戻るまでの時間で距離を測り、戻った電波の強さで雨や雪などの強さを観測します。

これまでの気象レーダーは、水平方向に波打つ一種類の電波を使っていました。

新型の気象レーダーは水平に加えて、垂直に波打つ電波も同時に使います。このため「二重偏波気象レーダー」と呼ばれます。二種類の電波を使うことで、雨・雪などの種類を判別したり、雨の強さをより正確に捉えることができます。

「二重の電波」雨の強さは正確に 降水の種類も判別

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雨の降り方は霧雨や土砂降り、激しい雷雨など様々ですね。それぞれに雨粒の形も違います。実は、雨粒が大きくなると、降る間に空気の抵抗で形がつぶれ、おまんじゅうのような形になります。

新型の気象レーダーが横に長いおまんじゅう型の雨粒を観測するときは、水平の電波の方が垂直の電波よりも強く反射します。このように二つの反射した電波の違いによって、降るものの形(降水粒子の形)が分かるので、雨・雪・雹などの種類を判別できます。

また、電波の進む速さは、水中の方が空気中より遅い特徴があります。おまんじゅう型の大きな雨粒がたくさんあるようなときは、水平の電波の戻りが遅くなるため、大雨が降っているとわかります。

新型レーダーで期待されること

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仙台管区気象台の「二重偏波気象レーダー」は、6月11日に運用開始予定です。この最新レーダーによって、発達中の積乱雲や大雨の分布がより正確に把握することができ、予測精度も高まると期待されます。

風薫る5月が過ぎれば長雨の季節です。気象レーダーはスマートフォンなどからも確認できます。大雨が心配されるときは危険な降り方になっていないか確認してみてください。