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毎年3月23日は、気象業務への理解促進を目的にキャンペーンが行われています。

世界気象デーとは

1950年3月23日に世界気象機関条約が発効したことを記念して、世界気象機関は毎年3月23日を「世界気象デー」として、気象業務への国際的な理解促進を目的にキャンペーンを行っています。

毎年テーマを掲げて行われていますが、2021年のテーマは「海洋と私たちの気候・天気」です。

海の天気への影響

天気というと大気中で起こっていると考えがちですが、世界の天候には海が大きく影響しています。

身近な例だと、冬に話題となったラニーニャ現象が挙げられます。太平洋赤道域の海面水温や海洋内部の水温の変化が原因で、日本周辺の天候に大きな影響が及びます。

ラニーニャ現象は去年の夏から継続中で、昨年12月に北陸を中心に発生した大雪も、ラニーニャ現象の間接的な影響を受けた偏西風の蛇行がその一因と言われています。

海洋酸性化の進行

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気象庁は今月19日、日本近海でも海洋の酸性化が進行していると発表しました。

化石燃料の燃焼などにより、人為的に大気中に排出された二酸化炭素の一部が海水に溶けて、長期的に少しずつ酸性化しているためです。

海洋の酸性化の進行は、海洋の生態系に大きな影響を及ぼします。サンゴ礁の発達や形成を阻害したり、貝類などが小型化するなど水産業や海洋観光資源など経済への悪い影響が懸念されます。

また、海の二酸化炭素を吸収する能力が低下し、温暖化が加速するおそれもあります。

気候変動について考える

最近、温暖化に伴う台風の強大化、豪雨の多発などが指摘されています。

これの対策を含め、天気の監視・予測には海の状況を把握することが重要で、私たち一人一人が海洋・気候・天気の密接なつながりを理解することが、大切と言えます。