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東日本大震災から、きょうで10年を迎えます。先月、2月13日の夜には、10年前を思い出すような大きな地震が福島県沖を震源として発生しています。日本は地震大国であり、日本に住む限り、地震への備えは欠かせません。今後も想定を超える自然災害に立ち向かう必要があり、今一度気を引き締めて、防災意識を高めていく必要があります。

震災 そのとき 巨大津波が町を飲み込む

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2011年3月11日午後2時46分。三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生し、宮城県の空の玄関口である仙台空港も、3メートルを超える津波が押し寄せました。ターミナルビル1階には自動車や瓦礫が流れ込み、小型機やヘリコプターなども損壊し、大きな被害を受けました。

東北地方の各地で甚大な被害をもたらした巨大津波は、堤防を越えて街を飲み込み、宮城県や岩手県を中心に多くの人命が失われました。特に、岩手県宮古市姉吉地区では、津波の高さが観測史上最大の40.4mにまで達しました。3月11日であの日から10年が経過します。

※画像は仙台空港内の展示パネルを接写したものです

仙台空港 震災伝承施設に登録

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2月28日(日)、仙台空港ターミナルビルを訪れると、期間限定(~3月12日)で設置されている1台のピアノに出会うことができました。この「復興空港ピアノ」は、東日本大震災時に宮城県七ヶ浜町で被災したグランドピアノです。当時は津波をかぶり傷だらけでしたが、約半年かけて演奏できる状態によみがえりました。被災当時の傷がありのままに残っており、当時の状況を感じることができました。また、演奏者によって奏でられたピアノの音色は美しく、道半ばの復興を後押ししてくれるように感じました。

2021年2月2日、仙台空港は、震災伝承ネットワーク協議会より「震災伝承施設」として登録されました。「震災伝承施設」は、東日本大震災から得られた実情と教訓を伝承する施設です。仙台空港ターミナルビルでは、高さ3.02mの津波到達点を示す「津波高表示」、震災当時の様子を時系列で説明した「震災説明パネル」を見ることができます。また、空港各所に、津波警報等発表時の避難経路を知らせる「津波避難サイン」が設置されています。

仙台空港は、国内で唯一の津波被災空港です。災害から得た教訓を風化させることなく、次の世代へ発信し続けています。

震災遺構 荒浜小学校

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鉄筋コンクリート4階建ての荒浜小校舎には震災当時、児童や住民ら約320人が避難しました。2階まで津波に襲われましたが、全員が屋上などに移動し難を逃れました。荒浜小学校は東日本大震災で甚大な被害を受け2016年に閉校。しかし、翌2017年4月には津波の脅威を後世に伝える震災遺構として一般公開が始まりました。津波の爪痕を校舎の中まで入って確認できます。

2月13日夜、福島県沖を震源とする大きな地震により、災害はいつでも起こりうるものだと再認識しました。荒浜小学校が防災・減災への意識を高めるとともに、東日本大震災の記憶の風化を防ぐきっかけになればと願います。

備えあれば患いなし 万全な防災対策を

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地震や自然災害などの災害は突然襲ってきます。一度、大きな災害が発生してしまうと、ライフラインなどが遮断される恐れがあり、災害に備えての日ごろの準備や心構えが大切です。

【ハザードマップの確認】

被害が想定されるエリアや避難する場所などを表示した地図のことで、区市町村ごとに作成されています。また、防災マップなどと呼ばれることもあります。洪水、内水氾濫、土砂災害、高潮によって被害が異なるため、ハザードマップは災害種別ごとに確認しましょう。自分の住んでいる地域に起こりうる災害を確認してください。

【家族との連絡方法の確認】

家族が離ればなれで被災した場合、自分の身の安全が確保できたら、次は家族の安否を確認しましょう。被災地では、連絡手段が限られるため、公衆電話等から利用できるNTTの「災害伝言ダイヤル171」や携帯電話の「災害用伝言板」などを活用してください。SNSも有効な手段となりそうです。

【避難経路の確認】

地震時は、自宅から避難所までの道のりは、普段とは違い通行できない場合もあります。実際に歩いてみるなど危険個所を把握し、安全なルートを確認しておきましょう。また、具体的に自宅から避難所までのマップを描き、危険個所や避難時に役立つ情報を書き込むなどしておくとよさそうです。

【備蓄品を備える 非常持ち出し品の準備】

目安として最低限3日間程度の水や食料品は備蓄しましょう。家族構成、住居や地域の特性によって必要となるものは異なります。ポイントは、自分や家族にとって本当に必要なものをカスタマイズすること。非常持ち出し品は、備蓄品の中から、避難生活に必要なものを選ぶとよさそうです。また、玄関や寝室など持ち出しやすいところに置いておき、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。背負える袋などにいれておけば、持ち出したときに両手が使えて便利です。

【家族での防災会議】

地震はいつ起こるかわからないため、時間帯や誰が在宅しているかなど様々なケースを想定して話し合っておきましょう。

(1)家族一人ひとりの役割分担

(2)家屋の危険箇所チェック

(3)家具の安全な配置と転倒防止対策

(4)非常持出品のチェックと入れ替え・補充

(5)災害時の連絡方法や避難場所・避難経路の確認

「もしも」のときに備えて、家族会議を開き、防災意識を高めていきましょう。