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気象庁は、10日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。今後、春の間にラニーニャ現象が終息し、平常の状態になる可能性が高いとしています。

1 月の実況

1月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値で基準値との差は−0.5℃、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5 か月移動平均値の11月の値は−1.0℃でした。太平洋赤道域の海面水温は中部から東部にかけては平年より低く、西部で平年より高くなりました。海洋表層の水温は中部から東部にかけて平年より低く、西部で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象の特徴を示しており、昨年夏からラニーニャ現象が続いています。

今後の見通し

太平洋赤道域の西部に見られる海洋表層の暖水が次第に明瞭となってきており、今後東進して、中部から東部の海面水温が平年より低い状態は解消に向かうと考えられます。エルニーニョ予測モデルでは、エルニーニョ監視海域の海面水温は春にかけて次第に基準値に近づき、夏にかけて基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測しています。ただし、予測の不確実性が大きい時期であることを考慮し、夏にかけての水温の上昇はやや抑えて考えます。以上のことから、今後、春の間にラニーニャ現象が終息し、平常の状態になる可能性が高くなります。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域:1 月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、春にかけて次第に基準値に近づき、夏にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されます。

インド洋熱帯域:1 月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、春から夏にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。