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関東甲信地方は、この秋から冬は、急に寒くなるのがポイントです。記録的な暖冬だった昨冬とは一転して、冬の寒さや降水量は、ほぼ平年並みになりそうです。気象庁が発表した、最新の「3か月予報」と「冬の天候の見通し」です。

10月~12月 季節の進みが加速しそう

気象庁は25日、「3か月予報(10月~12月)」と「冬の天候の見通し(12月~2月)」、2つの長期予報を発表しました。

それによりますと、関東甲信地方では、10月の平均気温は「平年より高い」でしょう。あと1か月ほどは、まだ季節の進みはゆっくりになりそうです。平年ですと、東京の日最高気温は、10月上旬だと23.0℃、10月下旬だと20.0℃。ただ、今年の10月は高温傾向なので、衣替えは、ゆっくり行っても良さそうです。

ちなみに、紅葉の見ごろは、秋(9月~11月)の気温が低いと早まり、高いと遅れます。10月も高温傾向なので、山では紅葉の色づきがスローペースになる可能性もあります。

ただ、この先は「季節が急に進む」のがポイントです。

関東甲信地方では、11月の平均気温は「ほぼ平年並み」、12月の平均気温は「平年並みか低い」でしょう。10月まで高温傾向だけに、11月から12月にかけて、短い期間に季節が一気に進みそうです。10月まではジャケットだけでよかった所も、急に秋コートから冬コートの出番になることが考えられます。気温の変化で、体調を崩さないよう、注意が必要です。

急な寒さの原因 ラニーニャ現象とは?

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この急な寒さの原因の一つと考えられるのが「ラニーニャ現象」です。実は、気象庁は、この冬にかけて、ラニーニャ現象が続く可能性が高いと予想しているのです。

ラニーニャ現象が発生している時は、太平洋赤道域を吹く東風が、平常時よりも強くなります。この強い東風によって、赤道付近の西部では吹き寄せられる暖かい海水の層がより厚くなり、インドネシア近海の海上で積乱雲がより盛んに発生します。一方、赤道付近の東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。そのため、太平洋赤道域の中部から東部では、平常時よりも海面水温が低くなるのです。

ラニーニャ現象が発生すると、世界中の天候に影響を及ぼして、関東甲信地方など東日本では、冬は気温が低くなる傾向があります。

この冬 気温や降水量は?

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気象庁は12月~2月を「冬」としていますが、実際、どうなるのか、関東甲信地方の「冬の天候の見通し」を見てみますと、この冬の平均気温は「ほぼ平年並み」の予想です。

ただ、思い起こせば、昨冬は日本付近への寒気の南下が弱く、関東甲信地方を含む東日本では、記録的な暖冬でした。一転して、この冬は、いつも通りの寒さが、急にやってくると予想されていますので、昨冬よりもしっかりした寒さ対策が必要です。

また、冬の降水量は「ほぼ平年並み」でしょう。ただ、降水量が多く予想されていなくても、油断はできません。

前回、ラニーニャ現象が発生した2017年~2018年の冬は、全国的に寒くなりました。そんな中、南岸低気圧が進んだため、2018年1月22日には、東京都千代田区で日最深積雪が23 センチに達するなど、関東甲信の平野部でも大雪になりました。

一方、降水量が、ほぼ平年並みということは、関東甲信の平野部では、いつもの冬らしく空気が乾燥しやすくなることも考えられます。

冬全体を平均すると、降水量は「ほぼ平年並み」でも、突然の大雪や、空気の乾燥などに、注意が必要です。