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台風10号は、九州の東シナ海沿岸付近を特別警報級の勢力で北上し、記録的な高潮を発生させるおそれがあります。

1999年の台風18号では本県で大きな高潮災害が発生しました。この災害を振り返り、台風10号への備えにいかしましょう。

猛烈な暴風と大規模な高潮をもたらした1999年台風18号

1999年の台風18号は、東シナ海を北上した後、9月24日午前6時ごろ、熊本県北部に上陸しました。上陸時の中心気圧は950ヘクトパスカルでした。台風が通過した熊本県天草の牛深では、最大瞬間風速66.2メートルという猛烈な風が観測され、これは現在も牛深における観測史上第1位の記録となっています。

台風の進路のすぐ東側にあたる八代海では大規模な高潮が起こり、八代海の北側の奥にあたる不知火(しらぬひ)町松合(まつあい)地区(現在は宇城市)で浸水による大きな被害が発生しました。

満潮時刻の2時間前に高潮発生

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高潮は、台風接近で気圧が低下することにより海面が上昇する「吸い上げ効果」と、台風の風によって海水が海岸に押し寄せる「吹き寄せ効果」によって起こります。

八代海は細長い形をしており、台風18号の猛烈な風によって八代海の奥へと吹き寄せられた海水が最も奥の不知火町で行き場を失う形となり、陸地に押し寄せたものとみられます。

一般に高潮は、満潮の時間帯と台風接近が重なって起こることが多いですが、この高潮災害は満潮時刻の2時間ほど前に発生しました。

満潮時間帯以外でも高潮発生のおそれ

台風10号は九州の東シナ海沿岸付近を北上し、九州では南寄りの猛烈な風が吹くことが想定されます。八代海や有明海、鹿児島県の錦江湾は、いずれも南に開いた海であり、南から海水が吹き寄せられることによって高潮が起こりやすくなることが考えられ、特に警戒が必要です。

また、台風10号は非常に強い勢力で接近するため、大きな気圧低下と猛烈な風によって、満潮の時間帯以外でも高潮が発生するおそれがあります。

台風が接近すると暴風で外に出ることが難しくなります。高潮により浸水のおそれがある地域では、台風接近前に避難することが大切です。