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気象庁気象研究所が発表した分析によると、過去40年で、東京など太平洋側の地域に接近する台風が増えていることが分かりました。

日本に接近する台風の特徴の変化

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気象庁気象研究所が発表した分析によると、1980年から2019年の過去40年分の観測データや気象解析データを用いて、日本に接近する台風の特徴の変化を詳細に調査した結果、東京など太平洋側の地域に接近する台風の数が増えていることがわかりました。東京では、期間の前半20年に比べて、後半20年の接近数は、約1.5倍になっています。この要因として、太平洋高気圧の西及び北への張り出しが強くなっていることをあげています。これまでは日本の南海上で太平洋高気圧の縁辺に沿って移動していた台風が、太平洋高気圧の張り出しに対応して、より日本の太平洋側の陸地に近いところを通るようになったと考えられます。強い強度の台風(例えば中心気圧が980hPa未満の台風)に注目しても接近頻度が増えていること、台風の移動速度が遅くなっていることも明らかにしています。この要因として、接近時の海面水温の上昇、上層と下層の風向と風速の差の縮小、大気中の水蒸気量の増加が、どれも台風の発達に都合のよい条件になっていること、さらに、偏西風が日本上空で弱まっており、これにより台風を移動させる風が弱くなっていることが考えられます。

また、地球温暖化の進行に伴って、台風の移動速度が遅くなることが指摘されています。

今年の傾向は?

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気象庁が25日に発表した3か月予報(9月から11月)によると、太平洋高気圧は日本の南で西への張り出しが強い予想です。偏西風は、日本付近では平年より北側を流れる見込みです。

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気象庁が20日に発表した海面水温・海流1か月予報によると、9月20日にかけて、四国・東海沖、関東南東方、東シナ海、沖縄の東、沖縄の南の海面水温は、平年よりかなり高い予想です。太平洋高気圧の張り出しや太平洋の日本付近の海面水温の予想は、近年の傾向と大きな違いはなさそうです。また、台風を流す偏西風も平年より北側ということで、太平洋から近づく台風は動きが遅い傾向と考えられます。