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西日本豪雨(平成30年7月豪雨)により西日本の各地で甚大な災害が発生してから、きょう(7月6日)で2年になります。

復興の作業は進んでいますが、いまだに仮設住宅で暮らしている方もあるなど、まだまだ日常を取り戻すまでには至っていません。

普段は雨の少ない瀬戸内地方で、どうして記録的な大雨による大規模な災害が発生してしまったのか、土砂災害の多い中国地方での問題点も含めて考えてみたいと思います。

2018年7月6日の広島市

2018年7月6日の広島市は、活発な梅雨前線の影響で終日雨が降り続きました。

いつもなら明るいはずの夕方には夜のように暗くなり、テレビの音が聞こえにくいくらいの激しい雨が降り出してきました。

この日の広島市の降水量は、7月の観測史上一位となる229.0ミリで、翌朝にかけても断続的にたたきつけるような雨が続きました。

中国地方は土砂災害の危険個所が多い

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2002年に国土交通省が公表した資料によると、都道府県別の土砂災害危険個所が全国で最も多いのは広島県です。2位が島根県、3位が山口県、岡山県は20位になっており、全国的に見ると中国地方は土砂災害の危険個所の多い地域ということができます。

これは、中国地方に花崗岩(かこうがん)類が広く分布しており、それが風化すると真砂土(まさつち・まさど)と呼ばれる崩れやすい土壌に変わることが大きな原因とされています。

2018年の西日本豪雨のほかにも、2014年8月の広島市での大規模土砂災害、1982年7月と1983年7月の山陰豪雨など、中国地方はたびたび大規模な土砂災害に見舞われています。

西日本豪雨(2018年6月28日~7月8日)の雨の降り方と被害

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中国地方は6月28日からは断続的に雨が降り、長雨になりました。特に、7月6日からの2日間あるいは3日間は本格的な雨が長く降り続き、多くの所で降水量の合計が過去の記録を塗り替えました。この期間は、1時間に30ミリ以上の激しい雨の降った所は少なかったものの、本降りの雨がボディーブローのように効き、各地で土砂災害や堤防の決壊による浸水、ライフラインの被害が発生しました。

西日本豪雨における問題点と今後の対応について

避難勧告や避難指示が出ても、多くの人が避難の行動には結びつきませんでした。自分の住んでいる所で災害を経験したことがないため、今回も大丈夫だろうという「正常性バイアス」が働いたことが原因ともいわれています。

広島市では2014年8月に大規模土砂災害がありましたが、その経験が生かせませんでした。

また、大きな災害を後世に伝えようとする石碑が、広島県や岡山県の被災地で見つけられており、過去の経験が生かされていなかったことが悔やまれます。

避難をするときには、「一人では何か起こった時に助けを呼ぶのも難しいため、近所の人に声をかけて複数で避難する」ことが大事です。近所や親せきの人などに声をかけることによって、ちゅうちょしている避難行動を促すことにもつながる可能性があるため、ぜひ実行していきたいものです。