メイン画像
メイン画像

梅雨がないとされる北海道ですが、今年は6月の後半に入って曇りや雨の日が続き、梅雨を思わせる天気となっています。特に下旬に入ってから(21日~)の日照時間がかなり少なく、昨日(29日)までの9日間の日照時間の平年比は、北海道地方の平均でわずか35パーセント。6月下旬としては過去最も少ない記録に並んでおり、今日(30日)の日照時間次第で、これを更新する可能性があります。

日照時間 過去最少記録更新か

6月の後半に入ってからの日照時間は道内各地で平年を下回っており、特に6月下旬はほとんど日差しのない地域もあります。

今月21日から昨日(29日)までの日照時間の平年比は、道内全体の平均で35パーセント。道東の十勝地方で特に少なく、帯広は平年の5パーセント(2.2時間)、広尾では平年の3パーセント(1.2時間)しか観測されていません。

1961年の統計開始以来、6月下旬の日照時間平年比が最も少なかったのは1983年の35パーセントと、昨日の時点でこの記録に並んでいますが、今日(30日)も各地で雲の広がりやすい天気が続くため、日照時間は平年を下回る見込みです。そのため、今年の6月下旬としての日照時間平年比は、過去最も少ない記録を更新するかもしれません。

日差しの少ない状態 もうしばらく続く

画像B
画像B

明日(7月1日)や明後日も広く雨が降り、日差しはなかなか望めないでしょう。週末には晴れ間の出る所が多くなりますが、週明けは再び下り坂の天気となるため、日差しの少ない状態はもうしばらく続く見込みです。

記録的なまでの日照不足となっているため、農作物への影響などに十分な注意が必要になります。

「蝦夷(えぞ)梅雨」と呼ばれることも

梅雨とは「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が現れる現象、またはその期間」と定義されています。

北海道ではこのような状態に毎年なるわけではないため、気象庁は北海道について梅雨入りや梅雨明けを発表しておらず、北海道に梅雨はないとされています。

しかし、年によっては雨や曇りの日が例年より多くなり、これを北海道では「蝦夷(えぞ)梅雨」と呼びます。

主な原因は、例年であれば北海道付近まで北上する中で不明瞭となる梅雨前線がそのまま近づくことで、北海道でも梅雨を思わせるように雨が続きます。

また、オホーツク海高気圧が例年より勢力を強めることで、北海道に冷たく湿った気流が流れ込みやすくなり、梅雨前線とは関係なく雲の広がりやすいすっきりしない天気が続くこともあります。

今年の北海道は、低気圧がいくつも付近を通過することで雨の日が多くなっており、上記のどちらにも当たらないパターンですが、明確な定義があるわけではないため、今の状況も「蝦夷梅雨」と呼んでいいかもしれません。