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今年の冬は、「冬らしくない」天候となっている所が多くなっています。12月1日から20日までの降水量を指標にすると、その傾向が明瞭に。関東や甲信越では、太平洋側の沿岸部で降水量が平年より多い一方、内陸部や日本海側で降水量が平年より少ない地点が多くなっています。

ここ20日間の降水量 横浜市では平年の2倍以上 前橋市は平年の1割以下

今年の冬は、なんだか「冬らしくない」と感じている方が多いかもしれません。12月にもなれば、関東南部はすっきりと晴れる日が多いのが例年の天候ですが、今年は雲が広がって日照がほとんどない日がたびたびあります。12月1日から20日までの降水量を平年と比較すると、東京は平年の117%、千葉市は163%となっており、横浜市は234%と平年の2倍を超えています。

一方、内陸部や日本海側では平年よりも降水量が少なくなっています。12月1日から20日までの降水量の平年比は、谷市と前橋市で8%と1割を切っているほか、長野市と新潟市で39%と少ない地点が目立ちます。山地の雪も少ない傾向で、オープンが延期になるスキー場があるなど、雪不足の影響が深刻となっています。

要因は?

冬らしくない天気が続く要因はどこにあるのでしょうか。要因の一つとして考えられるのは、寒気の影響が長続きせず、日本付近にやってきてもすぐに退いてしまうことです。例年だと、12月に入れば冬型の気圧配置が数日にわたって続くことがありますが、今年は天気の移り変わりが速いため、冬型の気圧配置が長続きしていません。

また、関東南部で晴れの日が少ない要因として、移動性高気圧が北に偏った形で日本付近にやってくるケースが多いことも挙げられます。高気圧の中心が北に偏ると、関東地方には海上からの湿った空気が流れ込みやすくなり、雲に覆われたり、弱い雨が降ったりしやすくなります。このため、全国的に晴れの地域が多い日でも、関東だけはすっきりしない天気となったことがあります。

この先、年末年始に寒気の南下が予想されていますが、影響を大きく受けるのは北日本に限られる見通しです。関東甲信越で典型的な冬の天気が多くなるのは、年が明けてからになる可能性があります。