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台風19号がもたらした大雨は、河川整備等を行う時に使われる「計画降雨」の基準を超えていました。この「計画降雨」と台風19号による降水量を比較しました。

「計画降雨」とは

「計画降雨」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
「計画降雨」とは、各河川で河川整備等を行う際に使われている、その流域の基準のことです。各河川ごとに基準は異なりますが、基本的には"これ以上の降水量はおそらく無いだろう"と想定して基準値を設定し、護岸工事等を行うことになっています。
例えば、栃木県から茨城県を流れる那珂川では、基準点の野口から上流で、100年に1回程度発生する降水量を2日間で300mmと想定し、「計画降雨」は2日間降水量が300mmとしています。

台風19号 「計画降雨」を上回る降水量に

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上のグラフは、各河川ごとの「計画降雨」と今回の台風19号による10月11日から12日にかけての2日間降水量の比較です。
これらの河川では、台風19号によって「計画降雨」を上回る降水量がありました。それぞれの「計画降雨」に対し2日間降水量は、久慈川では109%、那珂川では102%、多摩川では104%、相模川では102%、千曲川では104%でした。
なお、グラフにはありませんが、鬼怒川(基準点は石井)の「計画降雨」は、3日間降水量で362mmを想定していました。しかし、今回の台風による大雨で、10月11日から12日にかけての2日間降水量は365.3mmを観測しました。想定していた3日間降水量を2日間で越したということで、今回の台風19号がもたらした大雨の凄まじさを改めて思い知らされます。