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台風19号は12日午後7時前に伊豆半島に上陸し、強い勢力を保ちながら関東地方を北上して、13日未明には太平洋側に抜け、正午に温帯低気圧に変わりました。東海地方から東北地方にかけて記録的な大雨となり、土砂災害や河川の氾濫など大きな爪痕を残しました。

各地で記録的な大雨 ー神奈川県箱根町で全国の観測史上1位の日降水量―

神奈川県箱根町では、12日の日降水量が、10月の平年の降水量の約3倍にあたる、922.5ミリに達し、これまでの全国の観測史上1位であった高知県魚梁瀬の851.5ミリを大幅に上回りました。さらに、静岡県湯ヶ島の日降水量689.5ミリも13位になりました。なお、箱根町の10日午後10時の降り始めからの総雨量は1000ミリを超えたほか、各地で記録的な大雨となりました。

東京23区など初の大雨特別警報

台風の接近に伴って、東海地方や関東地方では12日朝から激しい雨が降り、気象庁は12日の夕方に静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県に大雨特別警報を発表しました。その後、夜には、栃木県、茨城県、新潟県、福島県、宮城県、岩手県と合計13都県に次々に大雨特別警報が発表されました。このうち、静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県、新潟県、福島県、岩手県の10都県では、平成25年に特別警報が設定されて以来、初めての大雨特別警報の発表となりました。

複数の河川で氾濫発生

関東地方や東北地方では長い時間にわたって激しい雨が降り続いたため、多くの河川で水位が上がって氾濫危険水位に達し、多摩川や千曲川、阿武隈川など大きな河川を含め氾濫が発生しました。

関東で猛烈な風が吹き荒れた

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台風19号の接近に伴って、12日昼過ぎから段々と風が強まり、神津島では午後3時15分に最大瞬間風速44.8メートルを観測。午後8時から9時頃にかけては、関東沿岸で猛烈な風が吹き荒れました。最大風速は羽田で34.8メートル、江戸川臨海では32.6メールを観測し、ともに観測史上1位の値を更新しました。最大瞬間風速も、横浜で43.8メートル、東京で41.5メートルを観測し、これまでの10月の1位の値を更新したほか、年間を通しても横浜は3位、東京は2位の値を記録しました。

静岡県などで過去最高潮位を観測

12日から15日にかけて「大潮」で潮位が高い所に、台風の高潮が加わり、神奈川県西部から静岡県の沿岸にかけて潮位が高くなりました。実際に観測された潮位から月や太陽の起潮力による潮位(天文潮)を引いた潮位偏差は、三宅島の坪田や静岡県の石廊崎で100cmを超えました。神奈川県の小田原や静岡県の石廊崎、御前崎、清水港などで、過去の最高潮位の値を更新しました。

天気が回復しても警戒必要

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雨がやんだ後も、油断はできません。川の上流で降った雨は下流に流れ込んできます。また、雨が多く降った所の斜面などは、崩れやすくなっている可能性があります。土砂災害や川の増水には引き続き警戒が必要です。