メイン画像
メイン画像

気象庁は9日(金)、エルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっており、冬にかけて平常の状態が続く可能性が高い見込みです。インド洋熱帯域は海面水温の高い状態が続いていますが、秋にかけて解消していくと予測されています。

7月の実況

7 月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は0.0℃ で基準値に近い値でした。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5 か月移動平均値の5 月の値は+0.5℃ となり9 か月連続して+0.5℃以上でした。太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近を中心に平年より高く、東部で平年並みでした。海洋表層の水温は中部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並で、中部の大気下層の東風(貿易風)は月の前半を中心に平年より弱くなりました。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示しています。

今後の見通し

7 月に太平洋赤道域の中部に見られた海洋表層の暖水の東進は不明瞭で、東部の海面水温は今後しばらく平年並で推移すると考えられています。エルニーニョ予測モデルは、今後冬にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値で推移すると予測されています。以上のことから、今後秋にかけてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続く可能性が高いとみられます。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域: 7 月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後秋にかけて基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域: 7 月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後秋にかけて基準値に近づき、高い状態は解消していくと予測されます。

7 月の日本と世界の天候への影響

日本: 7 月の日本の天候にはインド洋熱帯域高温時の影響は明瞭には見られませんでした。
世界: フィリピン、インドシナ半島、インドネシア及びインド南部の高温はインド洋熱帯域高温時の特徴に一致していました。