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西日本を中心とした記録的な豪雨に、国内最高気温を観測するほどの記録的な猛暑、東から西へ過去に例のないルートをたどった台風と、7月の天候は異例づくしでした。8月の天候は?

平成30年7月豪雨

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6月28日以降、梅雨前線が日本付近に停滞。また29日には台風7号が日本の南で発生、北上して日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続けました。このため西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が発生しました。6月28日~7月8日までの総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリ、九州北部地方で900ミリ、近畿地方で600ミリ、中国地方で500ミリを超える所があるなど、7 月の月降水量平年値の2~4倍となる大雨となった所がありました。また、九州北部、四国、中国、近畿、東海、北海道の多くで24、48、72時間降水量の値が観測史上第1位となるなど、広い範囲における長時間の記録的な大雨となりました。この大雨について、岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県の1府10県に大雨特別警報が発表されました。 気象庁は、平成30年6月28日から7月8日にかけての豪雨について、「平成30年7月豪雨」と命名しました。

猛烈な暑さ

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7月上旬は日本の東で高気圧の勢力が強まり、6月中に梅雨明けしていた関東を中心に気温が高くなりました。東京都心では6月25日から7月4日までに10日連続で最高気温が30度以上の真夏日に。都心で7月上旬までに真夏日が連続して10日以上観測されるのは、記録の残る約140年で初めてのことです。9日に九州北部から東海、北陸で広く梅雨明けしてからは全国的に気温が上昇。連日のように最高気温が35度以上の猛暑日地点が続出し、23日には全国にあるアメダスの3割近くにあたる241地点で猛暑日に。埼玉県谷市の最高気温は41度1分と、国内での最高気温の記録を5年ぶりに更新しました。そのほか、あちらこちらで観測史上1位や7月1位の最高気温が観測され、さらに猛暑日日数や連続日数でも記録を更新する地点が多く、広い範囲で長期間にわたって体温以上の猛烈な暑さに見舞われました。
この猛烈な暑さにより、7月半ばからは熱中症で救急搬送される人が急増。6月から7月29日までに熱中症で救急搬送された人の数は55,000人を超えました(消防庁発表)。これは例年のひと夏分(6月〜9月)に匹敵する多さです。

逆走台風

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25日午前3時に日本の南で発生した台風12号「ジョンダリ」は、発達しながら北上し、26日には強い勢力に。27日に小笠原諸島に最も接近した後、28日には進路を西よりに変えつつ北上を続け、伊豆諸島や関東の一部を暴風域に巻き込みました。本州の南には「寒冷渦」と呼ばれる、反時計回りの風の流れがあり、また、高気圧の勢力が北で強まったため、台風は本州付近で東から西へと進む異例の進路に。29日午前1時頃には強い勢力で三重県伊勢市付近に上陸し、近畿から中国地方にかけて横断した後、29日午後5時半頃には福岡県豊前市付近に再上陸しました。台風は次第に進路を南へ変え、速度を落として九州を縦断。30日から31日にかけては屋久島付近で円を描くように進みました。28日が満月だったことから、高潮や高波が懸念されていましたが、小田原市の国道では高波が堤防を越え、車が水没する被害が発生しました。

8月の天候は

最新の週間予報と1か月予報によると、8月はじめは高気圧に覆われて全国的に晴れる日が多く、気温の高い状態が続くでしょう。猛暑日となる所も多く、関東から九州を中心に体にこたえる暑さが長く続きそうです。来週5日頃からは北日本に前線が延びてくるため、北海道や東北は曇りや雨となり、暑さもおさまるでしょう。8月中旬から下旬にかけては西日本を中心に高気圧に覆われやすく、関東から九州はお盆を過ぎても厳しい暑さの日が多くなりそうです。北海道や東北は数日の周期で天気が変わり、気温は平年並みの見込みです。