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7月31日、火星が地球に最も接近します。地球と火星の距離は最短で5,759万km。ここまで近づき、6,000万kmを下回るのは、15年前の2003年以来のことです。
東海地方では、岐阜県を中心とした山間部では雲に隠される時間帯が多いですが、平野部ではだいたい晴れて、夜空でひときわ赤く輝く火星の姿を眺めることができそうです。

大気の揺らぎが少なく、望遠鏡で見やすい

画像A
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最接近の頃に火星を望遠鏡で見ると、赤茶色の表面の中に「極冠」と呼ばれる白い部分や、「大シルチス」などの黒っぽい部分があることが観察できます。
望遠鏡で星を数百倍に拡大して観察するときには、大気の「揺らぎ」が見え方に大きく影響します。例えば、上空をジェット気流のような強い風が吹いているときは、水中にあるものを見るときと同じようにゆらゆらと揺れてしまい、はっきりと見ることができません。
上空の大気の流れは、気象衛星の水蒸気画像で確認できます。白っぽい所ほど水蒸気が多いことを示すほか、動きを追うことでジェット気流など上空の大気の流れを知ることができます。現在、ジェット気流は日本列島の北を吹いていて、その南の東海地方の上空は風が弱い状態となっています。このため、大気の揺らぎが小さく、望遠鏡での観察に適した条件といえます。

火星の見頃、しばらく続く

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空が曇ってしまった・・・とか、今夜は用事があって・・・という方も心配ありません。火星の明るさや見かけの大きさは数日程度では大きく変化することはありませんので、日を改めて楽しむことができます。
また、天気も週末にかけて、山沿いで夕立があるぐらいで、夏空が広がる所が多い見込みです。夏休み中、火星は日が沈むころ南東の空から昇ってきて、真夜中に南の空を通り、明け方には南西の空へと沈んでいきます。天気さえ恵まれれば見るチャンスは何度もありますので、あきらめずにチャレンジしてみてください!