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気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表。ラニーニャ現象は、春に終息したとみられ、今後、夏は平常の状態が続く可能性が高く、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度となっています。

5月の実況

気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表しました。2017 年秋に発生したラニーニャ現象は、2018 年春に終息したとみられます。5 月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は−0.1◦C で基準値に近い値でした。エルニーニョ現象発生の判断に利用している5 か月移動平均値は、3 月までの7 か月間−0.5◦C 以下でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年並みでした。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年よりやや強くなりました。このような海洋と大気の状態は、ラニーニャ現象が2018 年春に終息したことを示しています。

今後の見通し

ラニーニャ現象は終息したとみられますが、中部太平洋赤道域の東風が平年よりやや強い状態は、今後しばらくの間持続すると考えられます。このため、西部から中部の暖水はゆっくり東進し、東部の海面水温はすぐには高くならないと考えられます。エルニーニョ予測モデルは、夏は基準値に近い値で推移し、秋は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後夏は平常の状態が続く可能性が高く(70 %)、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度となっています(50 %)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域: 5 月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後夏から秋にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域: 5 月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後夏から秋にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。