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日本気象協会は、昨年12月1日(金)からウインターライフ推進協議会 が提供する冬道転倒防止啓発サイトにて「つるつる予報(R)」を提供してきましたが、今シーズンは本日(16日)17時発表の予報で終了となります。
今シーズンは、「雪道の自己転倒」による救急搬送人員が898人と、6年ぶりに1000人を下回っています。地域住民や観光客の皆様の転倒防止への意識が高まってきているようです。

過去5シーズンの平均を大幅に下回る!!

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「つるつる予報(R)」は、冬道での転倒事故防止を目的として、冬期歩道路面の滑りやすさを予想したもので、2007年から今シーズンで11年目の提供となります。(札幌市内の歩道と横断歩道の滑りやすさを3段階のレベルと概況コメントで発表)
平成28年は、平成24年の過去最高の救急搬送人員1,406人に次ぐ1,312人でした。
しかし、今シーズンは3月16日8時30分現在で898人と、過去5シーズンの平均の1,183人と比べても285人も少なく、6シーズンぶりに1,000人を下回る見込みです。
地域の方々や観光客の皆様も、転倒防止への知識や注意が高まってきているようです。

スパイクタイヤ規制でツルツル路面に

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転倒による救急搬送人員は、平成4年頃のスパイクタイヤ装着率低下とともに急増しました。今の所、スパイクタイヤの禁止と転倒事故急増の因果関係を証明する科学的根拠は明らかにされていません。しかし、車が圧雪や凍結した路面を走行すると、その表面が車両からの熱で解けてしまうこと、またスタッドレスタイヤで凍った路面をさらに磨いてしまい、道路や横断歩道が滑りやすいツルツル路面に変化することは知られています。
なお、札幌市内で救急搬送人員が多い地域は、「すすきの・大通地区」です。この他では、新札幌駅、琴似駅、西18丁目駅、北24条駅、麻生駅、澄川駅など地下鉄駅の周辺で多く発生しています。これは、駅構内の快適な路面から急に外のツルツル路面に出てくることや、出入口付近には段差があることも多いからと考えられます。また、ロードビーティングが整備されている所は当然転倒が少ないですが、逆に境目付近も転倒が多く発生します。変わり目は危険です。

ツルツル路面は温暖化の影響?

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北海道支社 川村文芳気象予報士が、札幌の冬季(12月~翌2月)の気温を昭和(34年から63年の30年間)と、平成(元年から28年の28年間)に分けてまとめたデータによると、平均気温は、昭和が氷点下3・4度だったのに対して、平成は氷点下2・3度と、【1・1度も上昇】していました。また、日最高気温平均は0・0度に対し0・7度、日最低気温平均も氷点下7・2度に対し氷点下5・5度と1・7度も上がっています。こうした都市の温暖化が影響し、日中に解けた雪や氷が夜間から早朝に凍結して、歩道もツルツル路面になるようになってきています。
「つるつる予報(R)」は、本日(16日)17時発表で終了しますが、北海道ではまだ雪の多く残る地域があります。日に日に春めいていますが、日中と朝晩との路面状況の変化に注意し、今後も転倒しないようにして下さいね。