冬型の気圧配置が緩み、穏やかな天候となった今月9日。冬の風物詩ともいえる氷上のワカサギ釣りを楽しもうと、札幌近郊の茨戸(ばらと)川に行ってきました。

茨戸川の様子(2018年2月9日)と天気図 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義
茨戸川の様子(2018年2月9日)と天気図 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義

「寒い冬の釣りといえばこれ!」

寒さ厳しい2月の北海道。多くの河川や湖沼が凍結するこの時期は氷上に穴を開けて釣り糸を垂らすワカサギ釣りの最盛期となります。氷の上では足元から寒さが直に伝わってきますが、穴の中から姿を見せる小さなワカサギ、また、この時期しかできない釣りというのが誘い文句となるのでしょうか?先の写真のように、氷上には寒さ避けのテントが並ぶようになります。
この日は本州方面から高気圧が張り出し、北海道の日本海側でも貴重な日差しの出る所が多くなりました。この機を逃してはもったいないと今回は私のほか、日直予報士でおなじみの南保勇人気象予報士と同じ部署の畠山さんの3人でチャレンジです。はやる気持ちを抑えてテントを設営してドリルで穴を開け、糸を垂らすと早速南保勇人気象予報士にアタリが来ました。

南保気象予報士と釣られてしまったワカサギ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義
南保気象予報士と釣られてしまったワカサギ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義

今日の釣り場は水深が7mくらいありました。ワカサギは群れで行動していますので、どの水深帯でアタリが来るのかを素早く把握することが釣果を上げる必須の秘訣となります。この日は水深3m付近でアタリが頻繁にあり、退屈しない程度にワカサギが釣れました。今日がワカサギ釣り初体験の南保勇人気象予報士が餌を釣り針につけるのに苦労している間、経験者の畠山さんは次々とワカサギを釣り上げます。ある時は写真のように3匹掛け!効率の良い釣り方ですね。

3匹掛け(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義
3匹掛け(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義

また、時には違う魚も釣れることがあります。この茨戸川で有名なのは写真にもあるようなウグイ。体長は20cmくらいあり、氷の穴の直径より長いので、釣り上げる時には苦労します。寄せエサを水中に撒くことによりワカサギとともにウグイも寄せてしまうように考えられます。狙いと違う魚が釣れた際には逃がしてあげると良いと思います。他にここでは底生性のカワガレイが釣れることもありますが、釣り場によっては寄せエサの使用が禁止されているところもあります。入釣の際に確認された方が良さそうです。

釣れたウグイ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義
釣れたウグイ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義

今回は5時間程度の釣行で8~17cmのワカサギを80匹くらい釣ることができました。このあと各自ワカサギを持ち帰り、てんぷらなどで食べたそうです。なおワカサギは雑食性ですので、面倒でも一匹ずつ胃など内臓をとり除いて調理することをオススメします。天候の状況などにもよりますが、通常では札幌圏を含む道央圏や道南では今月末から3月上旬まで、道北や道東の釣り場では3月下旬くらいまでワカサギ釣りが楽しめます。氷の状況などの情報を確認し、是非楽しんでいただきたいと思います。
気になるこの先の北海道の天気ですが、今週末は低気圧が発達しながら北海道付近を通過する見込みで、北海道は天気の荒れる恐れがあります。最新の気象情報にご注意下さい。週明け19日以降は冬型の気圧配置が持続し、日本海側や太平洋側西部では雪の降る日が多くなりそうですので、釣りにはあいにくの天気となるでしょう。一方、道東方面は晴れ間の出る日が多くワカサギ釣りにはまずまずの天候となりそうですが、朝晩を中心に冷え込みの厳しい日が続く見込みです。釣行の際には万全の防寒対策が必須といえるでしょう。

釣れたワカサギ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義
釣れたワカサギ(2018年2月9日) 撮影:日本気象協会北海道支社 佐藤 雅義