今週は寒さと大雪が大きな話題になっています。私たち気象予報士が、日頃の仕事の中で寒さや雪が続く目安にするものの一つに気象衛星ひまわり画像があります。その目のつけどころをお教えします。

日本海の雪雲

日本海に広がる雲。まず、はっきりと筋状に広がっているかを見ることをチェックします。一列の雲は「セル」と呼ばれる単独の雪雲がいくつも連なることで構成されていて、寒気が強いほど雲と雲の間隔が狭くなって一本の筋のように見えてくるのです。隣り合う雲の列が密集すればするほど寒気が強いという証しですので、ここにも着目します。つぎにチェックするのは、大陸からの「離岸距離(りがんきょり)」。つまり筋状雲の始点です。大陸から日本海に流れ込んだ寒気が強ければ強いほど大陸を出てすぐの所で明瞭な筋状雲になるため、この「離岸距離」が強さや継続期間(いつまで続くか・・)の目安になるのです。たとえば、この距離が開き始めたら、数日先に回復する兆しと読み取るのです。

東シナ海の雪雲

九州や四国に雪が降る場合、雪雲は日本海から流れ込むのではなく、東シナ海から流れ込んでくるのがほとんどです。今回の寒気では、九州や四国の平地でも積雪しました。あなたのご記憶に新しいかと思いますが、日直予報士のスタッフは日本海の雲と同様に広がり具合や密集度もチェックしていました。

太平洋側の雪雲

寒気の流れ込みが強いと太平洋上にも筋状の雲が広がることが経験上わかっています。日本海や東シナ海のチェックと同様に、広がり方や密集度をチェックします。同じ寒気の強さの場合でも、日本列島の脊梁山脈を越えてから太平洋に流れ出しますので、海岸からは少し距離があり密集度もややダウンしますが、もちろんこちらもチェックしていました。もうひとつ、山を越えた平野部での雪雲の広がり方も大事なチェック項目にしています。太平洋側の鉄道や道路などのライフラインへの影響もここから類推できるからです。