寒い夜はヒートショックに注意!ヒートショックとは、温度の急激な変化で起こる健康障害のことです。tenki.jpで公開しているヒートショック予報では、今夜は本州の各地で『警戒』レベル!内陸部では暖房必須の寒さ・・・こんな夜は暖かい居間と寒いお風呂場との『温度差』に気をつけてください。

寒い!今夜は内陸部を中心にヒートショック警戒レベル

tenki.jpに今秋登場した『ヒートショック予報』によると、今晩は冷えてヒートショック『警戒』の地域が多い予想です。
きょうの日本付近は、一時的に冬型の気圧配置になっており、各地で北風が強まって、東京や近畿地方で木枯らし1号が吹きました。夜にかけても、北日本を中心に風の強い状態は続き、特に太平洋側や内陸部では今夜はグッと冷えてくる見込みです。
そのため、各地でヒートショックの危険が高まり、特に冷え込む内陸部では警戒レベルの予想です。関東甲信地方では、東京の八王子市や府中市など多摩地区で「気温差警戒!」、より内陸の長野県や山梨県では「冷え込み警戒!」レベルといった所も。
『ヒートショック予報』は、「気象予測情報にもとづく家の中でのヒートショックのリスクの目安」として発表していますが、コンテンツ提供開始後・・・・
――そもそもヒートショックって何!?
という声が各方面から届き、tenki.jpチームはヒートショックの認知度の低さに直面しました。
これからの寒い季節に気をつけていただきたい『ヒートショック』について解説します。

・・・ヒートショックって?発見が遅れると命に関わることも

『ヒートショック』とは、温度の急激な変化で血圧が上がったり下がったり、大きく変動することなどが原因で起こる、健康障害のことです。温度の急激な変化というのは、例えば「室温25℃の居間から、室温10℃のお風呂場に行き、服を脱いで42℃のお湯に入る」という行動です。このような行動によって、血圧の上がり下がりが短時間で起こると、お風呂場でフラついたり意識を失って倒れたりした後に、浴槽の中でおぼれる等で発見が遅れて命に関わることもあります 。実際に、家庭の浴槽で溺れて亡くなった方は毎年5000人弱(※)で、その9割が高齢者です。
※)消費者庁の資料より。浴槽内での溺死者数を表しているため、病死等と判断されたものや、浴槽外で倒れた急死者数は含まれていません。入浴中の急死者数は交通事故死者数を有に超える規模です。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/170125kouhyou_1.pdf
さて、このヒートショックという危険に対して、なぜtenki.jpが予報を出しているかというと、室内の温度差には少なからず「外気温が影響する」ため、気象情報のひとつと考えたからです。
築年数が浅く、気密性の高い住宅なら、部屋ごとの温度差はあまり大きくなりませんが、築年数が古く木造の住宅などは、外気温が低いと廊下やお風呂場も気温が低くなり、暖房を付けている居間とは必然的に温度差が大きくなってしまいます。
そのため、「寒くなる日=ヒートショックの危険が高まる日」として、皆さんに気温差対策をしていただきたく、ヒートショック予報を配信しています。

ヒートショック対策 どんなことに気をつけたらよい?

ヒートショックは特にお風呂場で発生しやすいことから、お風呂場でのポイントを3つに分けてご紹介します。
【体調の把握】
以下の状態のときは、入浴をやめるか時間をおいてから入浴しましょう。
・体調が悪いとき
・お酒を飲んですぐ、食べてすぐ(食後1時間はおきましょう)
また、深夜や早朝の入浴はやめましょう。
【お風呂場の準備】
・暖房を使ってお風呂場や脱衣所を温めておく
・浴室暖房がない場合は、シャワーで浴槽にお湯をためるとよい
・浴槽の温度設定を41℃以下にする

【入浴中は・・・】
・お風呂に入ることを家族に伝えて入る
・お風呂に入っている家族に定期的に声をかける
・いつもよりお風呂の時間が長くかかっている場合は、様子を見に行く
持病がある方や高齢の方はリスクが高まるのはもちろんのこと、実は年齢や健康状態に関係なく、だれでもヒートショックになる可能性はあります。
家の中での気温差に注意する指標として、『ヒートショック予報』をぜひご活用ください。