4日は中秋の名月、十五夜です。秋の収穫に感謝しお供えして月を愛でる日です。昔の人は、当日月が見られなくても様々な名前を付けて澄んだ空に浮かぶ名月を待ちました。さて、北海道では中秋の名月を楽しむことが出来るでしょうか。

撮影:北海道支社 持田 浩
撮影:北海道支社 持田 浩

お月見に良い季節

例年、8月下旬から9月は夏の高気圧の勢力が衰え、北海道付近には秋雨前線が停滞します。
時には秋雨前線や台風などの影響により大雨となることもあります。
しかし10月に入ると、北海道付近には周期的に大陸から乾いた高気圧がやってくるようになります。
水蒸気の少ない高気圧に覆われると、空は澄み渡り、夜には月や星が美しく輝きます。

十五夜にかかわる言葉

とはいえ、やはり秋の空は変わりやすく、当日が晴れるとは限りません。
ただ当日月が見られなくても、次の夜、また次の夜の月を期待して様々な名前がつけられています。
札幌の月の出の時間とあわせて並べてみます。
4日 十五夜(じゅうごや)  午後4時41分
5日 十六夜(いざよい)   午後5時12分
6日 立待月(たちまちづき) 午後5時44分
7日 居待月(いまちづき)  午後6時19分
8日 寝待月(ねまちづき)  午後6時56分
9日 更待月(ふけまちづき) 午後7時38分
月の出の時間はどんどん遅くなるので、だんだん楽な姿勢で月を待った様子が読み取れます。
十五夜にかかわる言葉がたくさんあることからも、月を心待ちにしていたことがわかります。

お月見を楽しめそうなのは

太平洋側やオホーツク海側では、十五夜当日の今夜にお月見が楽しめそうです。
日本海側も、明日夜には天気は回復し、十六夜が見られるでしょう。
この時期、夜は気温はどんどん下がって行きます。
屋外でのお月見は日が沈んでしばらくの間にとどめましょう。
夜が更けてきたら、秋の収穫に感謝しつつ、みんなで御供え物をいただくようにしましょう。
月が煌々と輝く夜は、地表の熱がどんどん奪われるいわゆる放射冷却が盛んになります。
冷え込んだ翌朝には草木などに露が結びますが、昔から露は「月のしずく」とも呼ばれていました。
お月見の翌朝は、月のしずくを探してみてはいかがでしょう。