9月は、中頃に台風18号が観測史上初めて九州・四国・本州・北海道のすべてに上陸し、全国各地に影響を及ぼしました。また、一雨ごとに秋が深まり、後半は季節が急加速。北海道からは初冠雪や初氷の便りが届きました。10月はどうなるでしょうか?

台風18号 九州、四国、本州、北海道に上陸

9月はまだまだ台風のハイシーズンで、これまでも室戸台風、枕崎台風、伊勢湾台風などの大きな被害をもたらした台風は全て9月に発生したものです。今年の9月は、台風18号が観測史上初めて九州(鹿児島県南九州市付近)、四国(高知県宿毛市付近)、本州(兵庫県明石市付近)、北海道(檜山地方、胆振西部)の全てに上陸し、全国各地に影響を及ぼしました。大分県には4回も記録的短時間大雨情報が発表され、佐伯市では1時間の降水量が84.5ミリと観測史上1位の値を更新。佐伯市を流れる井崎川では氾濫が発生しました。また、兵庫県や京都府、山梨県にも記録的短時間大雨情報が発表。関東は台風による雨や風が強まったのが深夜だったため、それほど交通の乱れなどはありませんでしたが、風や雨の音で夜中に目が覚めたという方も多かったのではないでしょうか。横浜では、最大瞬間風速30.3メートルを観測し、4年ぶりに30メートルを超えました。その後北海道や東北にも大雨や暴風をもたらし、青森県八戸市では最大瞬間風速41.7メートル、北海道十勝地方大樹は1時間の雨量が85ミリと、ともに観測史上1位の値を更新。上陸した地点数や雨や風など、記録づくめの台風でした。

不安定たびたび 記録的な雨も

台風のあとは、日本列島はたびたび大気の状態が不安定になりました。20日には北日本で1時間のうちに落雷が4000回も観測、22日には愛知県の海上で竜巻が目撃され、25日には北海道の旭川で直径7ミリのひょうが観測されました。また、28日には発達した低気圧の影響で全国的に雨が降り、関東地方では大雨に。特に千葉県や神奈川県で1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、道路が冠水した所もありました。

雨の後 季節急加速

28日の雨の後は、季節が急加速。特に北日本で顕著で、平年より5度から10度ほど低い空気が流れ込み、北海道の山では雪の季節に。29日は北海道の利尻山から全国トップをきって初冠雪の便りが届き、帯広では初霜が観測されました。30日には旭岳でも初冠雪を観測。2013年から2016年は旭岳が全国で最も早い初冠雪でしたが、今年は利尻山が2008年9月24日以来9年ぶりに全国トップとなりました(この時は旭岳と同日)。

10月はどうなる?

【天気】
天気は秋らしく数日の周期で変化しますが、その中でも本州付近は移動性の高気圧に覆われる日が多くなりそうです。北海道や東北の太平洋側と関東から九州、沖縄は晴れる日が多い見込みです。中でも北海道や東北の太平洋側と関東では平年よりも晴れる日が多く、降水量は平年並みか少ないでしょう。東北や北海道の日本海側は、10月の一週目は平年に比べて曇りや雨の日が多くなりそうです。
【気温】
近畿から九州、沖縄は暖かい空気に覆われやすく、平年より気温が高い見込みです。特に前半が高い傾向で、九州、奄美、沖縄は10月3日頃からの約一週間、四国では10月6日頃からの約一週間、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上と見込まれるとして、気象庁から異常天候早期警戒情報が発表されています。関東や北陸、東海では平年並みか高いでしょう。東北や北海道は1か月を通して見ると平年並みですが、10月の一週目は上空1500mに11月中旬並みの寒気が流れ込むため、平年並みか低くなりそうです。山では雪が降る寒さでしょう。