春の空はなんとなくベールがかかったようにかすんで見えます。そんなかすんだ空でも木星が明るく輝いているのがわかります。木星は一晩中夜空に浮かんでいますので、今晩は他の星と明らかに違う明るさを楽しんでみてはいかがでしょう。

木星と月のランデブー(2017年4月10日午後9時頃)撮影:日本気象協会北海道支社 持田 浩
木星と月のランデブー(2017年4月10日午後9時頃)撮影:日本気象協会北海道支社 持田 浩

春の空はかすみがち

春の空は冬の澄み切った空と異なり、なんとなくもやがかかったようにかすんで見えますが、理由はいくつか考えられます。
北海道ではまだしばらくの間大地がむき出しのままで、土ほこりが舞い上がりやすいことが挙げられます。
特にこれから5月にかけて、北海道付近を低気圧が発達しながら近づくと強い風が吹き、時には植えたばかりの作物が、強風に乗った土にたたかれ傷んでしまう「風害」も発生します。
他にも気温が上がり空気中の水蒸気量が増えること、大陸から飛んでくる黄砂などの影響もあるでしょう。

木星が見ごろ

このかすんだ春の空でも、負けないくらいの明るさで木星が輝いています。
これからしばらくの間、地球と木星の距離が近くなるため、最も明るく見える時期です。
ちょうど太陽が沈んだ後しばらくして東の空から上り、夜の間中、空の高いところで光っています。
春の星々はもともと明るい星が少なく、明るい木星はすぐ見つけることができますよ。
なお、来月7日から8日には再び月が木星の近くを通過しますので、月と木星のランデブーが楽しめそうです。

週末は見ごろ

北海道では、今晩、そしてあす日曜日も星空の広がる地方が多く、観測には良さそうです。
ひところの寒さも和らぎ、星空を観察するのには大分楽になってきました。
ただ、まだ吹く風には時折冷たさを感じることがありますので、暖かい服装はお忘れなく。