12月は全国的に雨でスタート。その後、低気圧は急速に発達して、いわゆる「爆弾低気圧」になりそう。北日本を中心に大荒れで、猛吹雪の恐れ。

師走なのに 北海道でも雪ではなく雨

クリスマスや年末など、師走は何かと忙しい時期だけに、天気は穏やかであって欲しいもの。でも、2016年の師走のスタートは、全国的に傘の出番。その後は、北日本を中心に、大荒れの天気になる恐れがあります。
予想天気図を見てみますと…
1日9時には、日本海を低気圧が進んで、本州付近を前線が通過するでしょう。
【誰かに話したくなる 豆知識】
天気図で、赤く描かれている前線は「温暖前線」。暖かい空気が、冷たい空気を押してはい上がって進んでいくため、雲を作って、雨を降らせます。一方、天気図で青く描かれている前線が「寒冷前線」。こちらは、冷たい空気がどんどん暖かい空気の下へもぐり込んで進んでいくため、にわか雨や雷雨が発生しやすくなります。
このため、12月のスタートは、全国的に雨が降りそうです。ただ、低気圧に向かって、南から暖かい風が吹くので、気温は、全国的にこの時期にしては高めの予想です。関東や東北南部でも、最高気温は15度くらいの所が多く、仙台は11月上旬並みで、雨でもそれほど寒くはなさそうです。ただ、雨が止むと、南よりの風から北よりの風に変わる所が多いので、風が冷たくなってくるでしょう。傘のあとは、マフラーが欠かせなくなりそうです。
そして、北海道でも南風が強まるので、雪ではなく雨の降る所があるでしょう。雪が降る所も、水分を多く含んだ湿った雪になりそうです。北海道では、11月29日正午現在、旭川などすでに平年の2倍以上の積雪となっている所もありますので、ナダレなどにご注意下さい。雪かきは、穏やかな30日中に行った方が良さそうです。

「師走の爆弾低気圧」のポイント

そして、この低気圧は、雨を降らせたあと、急速に発達する恐れがあります。12月1日と2日の予想天気図で、低気圧の中心気圧を比べると、1日9時は1014ヘクトパスカルですが、2日9時には984ヘクトパスカル。24時間で、なんと30ヘクトパスカルも発達する予想なのです。いわゆる「爆弾低気圧」になる恐れがありますので、警戒が必要です。
【誰かに話したくなる 豆知識】
「爆弾低気圧」とは、中心気圧が24時間で24ヘクトパスカル以上下がる温帯低気圧のこと。気象庁が、「天気予報等で用いる用語」では×(バツ)ですが、「急速に発達する低気圧のこと」です。
このように爆弾低気圧は、『急速に』発達しながら近づくのがポイント。そのため、北日本は『急に』大荒れの天気になる恐れがあります。北海道の北部を中心に、あっと言う間に雪や風が強まるでしょう。沿岸部など、開けた所を中心に、1日から風が吹き荒れ、2日は猛ふぶきになる恐れもあります。車でお出かけの際は、十分お気を付け下さい。「師走の爆弾低気圧」による「冬の嵐」への備えは、11月のうちに行った方が良さそうです。
なお、低気圧の発達の程度や、予報については、最新の情報を確認して下さい。