台風10号は、あす30日の夕方から夜には「強い」勢力で「暴風域を伴ったまま」関東から北日本に上陸する恐れ。強風域が広く、台風の中心から離れた所にも活発な雨雲があります。雨や風のピークと注意点をまとめました。

台風10号による雨や風のピーク
台風10号による雨や風のピーク

台風10号の特徴は?

台風10号は、きょう29日正午現在、「大型」で「非常に強い」勢力です。あす30日の夕方から夜にかけて「強い」勢力で、「暴風域を伴ったまま」関東から北日本に上陸する恐れがあります。強風域(風速15メートル以上)が広く、本州の大部分を覆ってしまうほど。また、台風の中心から離れた所にも活発な雨雲があるのが特徴です。このため、広い範囲で強い風の影響を受け、台風から離れた所でも雨量が多くなるでしょう。各地の雨や風のピークと注意点をまとめました。

地方ごとの雨や風のピークと注意点

【北陸3県・東海】
台風周辺の湿った空気が流れ込んでいる中、上空に寒気を伴った気圧の谷が通過中です。あす朝にかけては南北に延びる発達した雨雲が、西から東へとゆっくり移動するでしょう。局地的には非常に激しい雨が降る見込みです。雨雲の動きが比較的遅く、激しい降り方が長く続くことも考えられます。また、今夜は風も強まってきそうです。静岡の海上では大しけとなる見込みです。
【関東甲信】
雨のピークはあす未明から朝にかけて、風のピークは朝から昼頃にかけてで、朝の通勤時に荒れた天気となるでしょう。交通機関が乱れる可能性もあります。カミナリを伴って傘が役に立たないくらいの、非常に激しい雨の降る所があるでしょう。台風の中心から離れた所にも活発な雨雲があるため、台風に近い沿岸部だけでなく、内陸部でも非常に激しい雨が予想されます。また、関東の広い範囲で強風域に入るとみられ、立っていられないような風の吹く所もあるでしょう。風の影響は、雨がやんだ後もしばらく続きそうです。なお、台風が最も西よりのコースを進んだ場合には、千葉県や茨城県が暴風域に入る恐れがあります。
【新潟・東北南部・東北北部】
雨や風のピークは、新潟と東北南部が、あすの昼前から夕方にかけてです。人の動きが活発になる時間帯ですが、不要不急のお出かけは控えた方がよいでしょう。一方、東北北部のピークは、あすの夜から深夜にかけてと、暗い時間帯です。明るいうちの対策や、早めの行動が必要です。雨は、雷を伴って非常に激しく降り、局地的には息苦しくなるほどの猛烈な雨となる見込みです。短い時間に一気に雨が降るため、川の水位が急激に上昇してあふれたり、低い土地に水が流れ込んだりするでしょう。がけ崩れなどの土砂災害にも厳重な警戒が必要です。陸上でも広く非常に強い風が予想され、ビニールハウスが破れたりする恐れもあります。海上では猛烈な風となるでしょう。
北海道
あすの夜遅くから、あさっての朝にかけて雨や風が特に強まりそうです。あすは広い範囲で非常に強い風が吹き、太平洋側の海上では昼過ぎから大しけとなるでしょう。詳しくは、下記リンクの佐藤貴子 気象予報士の記事「台風10号 北海道に近づく」を参考になさってください。
(日本気象協会 気象予報士 中川裕美子)