台風10号は、この先発達を続けながら、本州付近に近づく可能性が高くなっています。日本近海の海水温度が、台風のエネルギー源として十分な温度というのが理由の大きなひとつです。

日本付近の海水温度
日本付近の海水温度

燃料満タンでやってくる台風10号

上の図は、最近観測された日本近海での海水温度(表面近くの温度)です。
オレンジ色で示した26℃以上の海域は、太平洋側では関東周辺から南東の海域にかけて広い範囲に広がっています。
日本海では津軽海峡付近から対馬海峡付近までの範囲になっていることを示しています。
気象学では、海水温度26℃以上の海上では台風が発生発達しやすいとされていますから、今日本の南にある台風10号は、旅の途中での燃料補給が意のままということになります。
台風10号の進路予想で、日本列島に近づいても強い勢力を保つと予想されるのは、こうした背景があるからと言えるでしょう。

台風の進路 気になる地方と備えは

台風第10号の進路によっては大雨や大荒れ、海は大しけとなるおそれがあります。
台風が、予報円通りに進むと、特に気になる地方は小笠原、伊豆諸島、東海から関東と東北でしょう。
※台風の予報円とは、中心が12、24、48、72、96、120時間後に到達すると予想される範囲を円で表したものです。 台風の中心が予報円に入る確率はおよそ70%とされています。
初めに影響するのは「高波」です。台風が次第に接近すると、台風周辺の「強風や暴風」「活発な雨雲の群れ」がこれに続くようになります。台風の中心が近づいたり、台風からの波や風がストレートに寄せてくる海岸では「高潮」が懸念されることが多くあります。
船舶や海岸施設はいち早い対策をしましょう。農作物や大雨・土砂災害も気になります。ベランダなど周りの小物で飛びやすいものがないかも確認しましょう。
もちろん危険個所がお近くにある方は、避難のための準備や点検も、今日明るいうちに済ませましょう。
週明けは、通勤・通学時間の交通機関の乱れ、帰宅時の雨風の予報もチェックしておきたいものです。

正しい行動 避難の心得

詳しくは、下記「台風特設チーム」の台風10号特設ページにある以下のページでご紹介しています。
是非、前もってご確認ください。
●きちんと知ることで正しい行動を!
台風を知る http://www.tenki.jp/docs/note/typhoon/
●避難の心得について(トクする!防災より)
避難の心得 http://tokusuru-bosai.jp/refuge/refuge.html
日本気象協会 気象予報士 高橋 則雄