南から台風が近づく一方で、朝鮮半島からは、この時期としては強い寒気が南下し、28日(日)から西日本では大気の状態が非常に不安定になります。特に、九州北部や中国、四国地方で局地的に非常に激しい雨が降り、大雨の恐れがあります。

南から台風が近づく一方で、朝鮮半島からは、この時期としては強い寒気が南下し、28日(日)から30日(火)にかけて、大気の状態が非常に不安定となるでしょう。台風10号から離れた、九州北部や中国、四国地方で、局地的に非常に激しい雨が降り、大雨の恐れがあります。
28日(日)午前中から九州はかなり活発な雨雲がかかり、午後は中国、四国地方でも激しく降るでしょう。大雨をもたらすライン状の強い降水域(線状降水帯)が発生し、ゆっくりと西から東へ移動してくる恐れがあります。雨が強まると考えられるのが、まず28日(日)昼前から九州北部です。その後は、九州含め、中国、四国でも局地的に雨が強く降り、夜間も雨が激しく降ったり、場所によっては1時間60ミリの非常に激しい雨が降る恐れがあります。一気に60ミリの雨が降ると、傘は全く役に立たず、マンホールから水が噴き出したり、地下街やアンダーパスなど低い場所に水が流れ込んで浸水害が起こりやすくなるなど、かなり危険です。こういった雨が2、3時間続くと、災害が起こる危険は更に高まります。低い土地の浸水や土砂災害、川の増水や氾濫などに警戒が必要です。また、雷や竜巻、突風などの恐れもあり、屋外の活動は警戒が必要でしょう。
<予想される降水量>
28日(日)午後6時までの24時間雨量は、多いところで、九州北部地方で150ミリ、中国地方で80ミリ、四国地方で60ミリとなっています。更に大雨の降りやすい状況が続き、28日(日)午後6時から29日(月)午後6時までの24時間雨量は更に多く予想されています。多いところで、四国地方で200から300ミリ、九州北部地方、中国地方で50から100ミリの見込みです。低い土地の浸水、土砂災害、河川の増水などに警戒して下さい。また、近畿地方でも、28日(日)から局地的には大雨の恐れがありますので、注意が必要です。

夜になる前に早めの避難を

台風10号が離れているからといって、全く油断ができない状況です。身の危険を感じる前に、早めの避難を心掛けましょう。
深夜の大雨は、周辺が暗くて見えづらい上、大雨の音で周囲の音も聞き取りづらくなるため、避難が大変危険な状態となります。特に、避難に時間がかかる高齢者の方や、お子さんがいるご家庭では、より早めの避難を心掛けたほうがいいでしょう。
また、暗くなってから避難するかどうか、検討する状況になったら、本当に避難所に向かうべきかどうか判断してください。自宅の周辺がすでに浸水しているなど避難する際に危険がある場合は、家の中の2階以上で可能な限り高い所に避難する「垂直避難」をすることも避難の1つです。