関東は週末も不安定。原因の一つは、南の海で次々と発生する熱帯低気圧。まだ台風まで発達する予想ではないが、高気圧の周りに沿って湿った空気を運ぶため、急な雨に注意。

都心でも 急に雨雲や雷雲が発達

関東地方は、18日も「大気の状態が非常に不安定」で、あちらこちらで雨雲や雷雲が発達しました。昼過ぎには、東京都豊島区池袋のサンシャイン60でも、雷鳴が聞こえ、稲光が見えました。東京地方では、レーダーの観測で、1時間に約70ミリの非常に激しい雨の降った所もありました。関東付近から北海道の東にかけて、前線が停滞しているので、前線付近では、雨雲が発達しやすかったのです。
この時期、晴れて暑いと、「上空の寒気」との気温差が大きくなり、夕立が起こりやすくなります。でも、このところの関東の突然の雨は、ちょっと違います。「大気の状態が非常に不安定」なのは、「上空の寒気」の影響だけでなく、南から「湿った空気」が流れ込んでいるから。この「湿った空気」は雨雲のもとになるもので、この先も、どんどん流れ込んできそうです。

台風の卵 次々と発生

雨雲のもとになる「湿った空気」をもたらす原因を更につきつめると、「台風の卵」ともいえる熱帯低気圧です。今のところ、台風に発達する予想にはなっていませんが、台風と同じように、南の暖かい海で発生した低気圧なので、暖かく「湿った空気」を沢山運んできます。実は、この熱帯低気圧は1つだけではありません。この先、南の海上に、次々に発生しそうなのです。
予想天気図を見てみますと…

南の海上には、熱帯低気圧が3つもあって、ここから「湿った空気」がどんどん流れ込んでくるでしょう。そこで、ポイントになるのは、日本の東にある高気圧。高気圧の周りを、風が時計回りに吹くので、その風にのって、熱帯低気圧が運んできた暖かく「湿った空気」が、本州付近へ流れ込んできそうなのです。

急な雨はいつまで?

このため、関東は、しばらく雨の降りやすい天気の日が続くでしょう。この先の東京の天気予報をみても、来週前半にかけて、曇りや雨となりそうです。突然、雨が降り出すので、お出かけの時に降っていなくても、傘を忘れずにお持ち下さい。
このような不安定な雨は、局地的に急に降り出しますが、都市部で降ると、道路が冠水したり、地下街や地下室などが浸水することもあります。また、川の上流で雨雲が発達すると、川の下流で急に増水する恐れもあります。豪雨レーダーなどで、雨雲の動きを確認するのがオススメです。
8月も後半で、残りの夏休みを楽しみたいところですが、空模様の急な変化に、十分お気を付けさい。