近畿地方では、アメダスで気温を観測している場所が64か所ありますが、きょうは26地点で最高気温が35度以上の猛暑日になりました。特に、近畿の中部と南部ではこの夏一番の暑さを塗り替えた所が目立っており、きょうの最高気温は、神戸市で37度2分、奈良市で36度7分、和歌山市で36度4分、大阪市で36度3分などとなっています。日中の厳しい暑さは、この先一週間も衰える気配は見られません。

例年暑さが最も厳しくなるのは

大阪管区気象台が最高気温の統計を取り始めたのは、1883年(明治16年)のことです。去年までの132年間で、「年間の最高気温が観測された日」を旬ごとにまとめてみました。最も多いのが8月上旬の45回(全体の34%)、次いで8月中旬の32回(同24%)となっており、統計的に見ても、今が最も暑さの厳しいころにあたります。立秋(今年は8/7)以降の暑さのことを残暑と言いますが、私たちが残暑と感じるようにな気温に落ち着くのは8月下旬以降になりそうです。

このところの猛暑は「変則的な夏型の気圧配置」が一因か

一般に夏型の気圧配置になると、大阪平野では朝晩は陸から海に向かって風が吹き、日中は海から陸に向かって風が吹きます。7月29日がその一例です。太平洋高気圧は日本の南海上へと張り出しており、この日は日が昇るとともに気温はぐんぐん上昇しましたが、午後になって比較的気温の低い「海からの風(南西の風)」が吹くようになると、気温の上昇は抑えられました。ところが、きょう(8月8日)は関東の東海上に台風5号があり、太平洋高気圧は北日本に向かって張り出しています。大阪平野では北よりの風が吹き、海からの風が入りにくい形です。神戸市では、台風の遠い影響で昼過ぎから北西の風(六甲おろし)が吹き、山越えの風となった影響で37度台の暑さを記録しました。京阪神では先月末から暑さの厳しい日が続いていますが、これは変則的な夏型の気圧配置になっていることがひとつの原因だと考えられます。

猛暑はまだまだ続く

週間予報によると、近畿地方はこれから来週の月曜日にかけてもまとまった雨はなく、容赦なく強い日差しが照りつける見込みです。大阪市では、日中の最高気温が35度前後の日がほとんどで、厳しい暑さが続くでしょう。ただ、水曜日から木曜日にかけては北から乾いた空気が流れ込むため、朝晩はこれまでに比べると、幾分しのぎやすくなる可能性があります。今週はお盆休みという方が増えてくると思いますが、長期休暇のあとは熱中症になる方が増える傾向があるため、健康の管理には十分にご注意ください。