4月は全国的に気温が高くなりました。桜前線は一気に北上し、記録的に早い開花や満開も。また、低気圧や前線が通過しやすく、全国的に降水量は多くなりました。国内で約300日ぶりに黄砂を観測。4月の天候のまとめです。

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暖かかった4月

4月は日本付近を低気圧や前線がたびたび通過し、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなりました。
このため、全国的に月平均気温は高くなりました。
桜(ソメイヨシノ)の開花前線は足早に東北から北海道へ北上。
東北では開花も満開も平年より1週間から10日早い所が多く、記録的な早さの所もありました。
(2016年の桜のまとめは下記をご参照ください。)
一方で、寒暖の差が大きく、初夏の陽気の日となった日もあれば、寒の戻りもありました。
11日には北海道に4月としては数年に一度の寒気が流れ込み、北海道や東北では雪の積もった所も。
翌日の朝は全国的に冷え込みが強まり、全国のアメダスの約4割で最低気温が氷点下に。
アメダスの整備が進んだ1978年以降、4月中旬以降で約4割の地点が氷点下になったのは1997年4月16日以来、19年ぶりのことでした。
28日から30日にかけても寒気の影響で、北海道は広く雪が降り、東部を中心に積雪となりました。
降水量は全国的に多くなりました。
沖縄や奄美は前線の影響を受けやすく、かなり多くなりました。

黄砂がようやく飛来

9日は、秋田など4地点で黄砂が観測されました。
日本では、2015年6月13日に西日本の広い範囲で黄砂を観測して以来301日ぶりのことでした。
その後も黄砂が飛来し、23日から26日にかけては西日本や北陸を中心に広い範囲で黄砂が観測されました。

2016年の桜まとめ

おしまいに、今年の桜(ソメイヨシノ)について、3月から振り返ってみました。
今年の桜前線は、3月19日に福岡と名古屋からスタート。
23日には一日で12地点の桜が一気に開花し、過去一番の開花ラッシュとなりました。(現在、観測が行われている地点で比較)
その後、桜前線は一気に北上。
29日には富山で過去2番目に早く開花(タイ記録)。
30日には福島でも過去2番目に早く開花しました
3月中に東北で開花するのは今年で2回しかなく、「記録的に早いみちのく入り」でした。
4月になると仙台や山形でも観測開始以来2番目の早さで桜が開花。
東北の各地は平年より一週間から10日早い開花となりました。
東北や北陸は満開も記録的な早さに。
3月31日は福井で観測開始以来最も早く満開になりました(タイ記録)。
4月1日に満開となった富山も、最早タイ記録。
北陸では桜が咲いてからも気温が高く、かなり短い期間で花が咲き揃いました。
福島、仙台ともに観測開始以来2位タイとなる早さの満開となりました(ともに平年より10日早い)。
北海道でも平年より1週間以上、早く開花している所が多く、室蘭は2008年と並び過去2番目に早い開花となりました。
一方で、太平洋側の温暖な地域は開花が平年より遅くなった所がありました。
桜前線がスタートして5日後の24日、高知で桜が開花。
例年トップをきって咲くことも多い高知が、桜前線がスタートしてから5日以上遅れて開花するのは珍しく、1993年以来、23年ぶりのことでした。
そのほか大分は平年より4日遅く、静岡は平年より2日遅い開花となりました。