気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表。2014年夏に発生したエルニーニョ現象は夏のはじめには終息している可能性が高い。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性も。

エルニーニョ現象とは?

太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
エルニーニョ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こるとされています。

3月のエルニーニョ現象

●3月の実況●
2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、弱まりつつあります。
3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+1.6度で、2月より0.4度低くなりました。
エルニーニョ現象発生の判断に利用している「5か月移動平均値」は、1月までの20か月間+0.5度以上でした。
統計がある1949年以降で、エルニーニョ期間の最も長い記録をさらに更新しました。
(2番目に長かったのは1969年から1970年の「18か月」です。)
●3月の天候への影響●
日本では、西日本の高温がエルニーニョ現象時の天候の特徴に一致していました。
世界では、東アフリカ~インド洋南西部、インド南部、インドネシア、ポリネシア南東部、米国東部、及び南米の北部~東部の高温、フィリピン南部の少雨、メキシコ付近の多雨がエルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していました。

今後の見通し

エルニーニョ現象は夏のはじめには終息している可能性が高いでしょう。
平常の状態が続く可能性もありますが、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い見込みです。
なお、最新の暖候期予報では、日本の今年の夏(6~8月)は、西日本と沖縄・奄美は暖かい空気に覆われやすく、気温が高い見込みです。
降水量は、九州から北海道で平年並みか多いでしょう。
※ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて低くなり、その状態が1年程度続く現象です。