気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。2014年夏に発生したエルニーニョ現象は弱まりながらも続いており、ついに19か月連続と「過去最長記録」に。エルニーニョ現象が日本や世界の天候にもたらしている影響と、今後の見通しについてお伝えします。

エルニーニョ現象とは?

太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
エルニーニョ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こるとされています。

2月のエルニーニョ現象

●2月の実況●
2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、弱まりながらも続いています。
2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+2.0℃。
1月に比べると低くはなりましたが、依然としてかなり高い値です。
エルニーニョ現象発生の判断に利用している「5か月移動平均値」は、12月までの19か月間+0.5℃以上でした。
統計がある1949年以降、エルニーニョ期間が最も長かったのは1969年から1970年の「18か月」。
今回、その最長記録を更新したことになります。
●2月の天候への影響●
日本では、「冬型の気圧配置が長続きしなかったこと」は、エルニーニョ現象が影響したとみられます。
世界では、南部アフリカ~インド洋西部、インド南部~インドネシアおよび南米北部の「高温」が、エルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していました。
●冬(12月~2月)の天候への影響●
日本では、東日本以西の「高温」「多雨」にはエルニーニョ現象が影響したと考えられます。
世界では、熱帯域を中心とした「高温」や「少雨」などが、エルニーニョ現象時の天候の特徴と一致しました。

今後の見通し

エルニーニョ監視海域の海面水温は、今後、次第に基準値に近づき、夏以降は基準値に近い値か低い値で推移すると予想されています。
今後、エルニーニョ現象はさらに弱まり、夏には平常の状態になる可能性が高い見込みです。