北海道で、方向感覚を失うほどのホワイトアウトや、見通しがきかない猛吹雪の恐れ。原因は東京に大雪をもたらした低気圧で、動きが遅くなるため大荒れが長引くのが特徴。

北海道中標津町内 2016年1月19日午前 撮影
北海道中標津町内 2016年1月19日午前 撮影

北海道 ホワイトアウトが長引く恐れ

昨日18日に、東京や横浜など、関東に大雪をもたらした低気圧は、急速に発達しながら北海道の東を北上しています。
関東に雪を降らせた低気圧が原因で、北海道を中心に、大荒れの天気となっています。

【非常に強い風】
「えりも岬」では、19日未明に、最大瞬間風速45.1メートルと、非常に強い風を観測しました。
「えりも岬」といえば、北海道の中でも、特に風の強い所ではありますが、走行中のトラックが横転するほどの強い風が吹いたのです。
【大雪】
また、雪の降り方も強まっていて、大雪になっています。
「えりも岬」に近い「えりも町目黒」では、19日正午の積雪が76センチと、18日の正午と比べると、24時間で積雪が66センチも増えました。
【猛吹雪】
中標津空港では、地吹雪になっていて、視程(見通せる距離)が200メートルしかない状態です。
この後のポイントは、低気圧の動きが遅いこと。

今日の午前9時の実況天気図と、あす午前9時の予想天気図を比べると、低気圧の位置がほとんど変わりません。
そのため、大荒れの天気が長引く恐れがあります。
北海道で、特に心配されるのが、猛吹雪です。
特に、強い風が予想されているのは『太平洋側東部』と『日本海側北部』。
あす20日にかけて、最大瞬間風速35メートルが予想されています。
日本海側でも、瞬間的には、30メートルくらいの暴風が吹き荒れる恐れがあります。
これは、何かにつかまっていないと立っていられないほどの風で、看板が落ちたり、道路標識が傾くくらいの風です。
この暴風に加えて、大雪も伴っているので、ホワイトアウトなど、一段と危険な状態になる心配があります。
オホーツク海側では、20日の昼までに、多い所で100センチの雪が降ると予想されていて、雪がいっきに積もる所もありそうです。
見通しがきかない猛吹雪や、吹きだまりによる交通障害に、十分警戒して下さい。
地表に積もった雪が強風で巻き上げられ、地吹雪が発生すると視界が極端に悪化し、1メートル程度先も確認できないほどになる恐れがあります。
外出は、なるべく控えたほうが安全です。

ホワイトアウトに備えて

【どうしても外出しなければならない場合、車では】
車に防寒着、カイロ、長靴、スコップ、懐中電灯、携帯ラジオ、軍手、非常食など準備し、非常事態に備えて下さい。
燃料が十分に残っているかの確認もしておきましょう。
【車での移動中に急に暴風雪に見舞われた場合は】
不用意に車から離れずに、雪と寒さをしのげる場所で、身の安全を確保してください。
車から離れて道の駅やガソリンスタンド、近くの商業施設などに避難する際は、フロントガラスの内側などの見える所に、携帯電話の番号など連絡先をメモしておきましょう。
マフラーが雪に埋まると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあります。
車が雪に埋まったときは、エンジンを停止してください。
とにかく、無理をしないで、安全の確保を心がけて下さい。