きょうは全国的に秋晴れとなり、東京都心では夕暮れの空に浮かぶ富士山の美しいシルエットも。気になることわざ「夕焼けは晴れ」の真相もお伝えします。

美しいグラデーションと富士山のシルエット(11月4日17時30分頃・東京都豊島区より撮影)
美しいグラデーションと富士山のシルエット(11月4日17時30分頃・東京都豊島区より撮影)

全国的に秋晴れ、都心では美しい夕焼けも

きょうの日本列島はすっぽり高気圧圏内で、全国的にすっきりとした秋晴れとなりました。一日を通して快晴となった東京都心では、夕焼けのグラデーションが、富士山の美しいシルエットを一層際立たせていました。
昔から「夕焼けは晴れ」と言われていますが、引き続き高気圧に覆われる東日本から北日本にかけては、ことわざ通り、あすもよく晴れて暖かくなるでしょう。高気圧の中心が離れる西日本や沖縄では次第に雲が増えるでしょう。

あす11月5日の天気(11月4日17時発表)
あす11月5日の天気(11月4日17時発表)

ことわざ『夕焼けは晴れ』は本当?

『夕焼けの翌日は晴れる』
さて、誰もが知っているこのことわざですが、春と秋は比較的よく当たります。その理由は、日本の天候と季節の関係によく表れています。
春と秋は、日本付近は移動性高気圧と温帯低気圧の通り道になりやすく、高気圧(=晴)と低気圧(=雲)が交互に西から東へと移動するため、天気も西から東へと変わります。つまり、「太陽が沈む西の空が晴れている」ということは「西から晴がやってくる」ということになるので、『夕焼けは晴れ』ということになります。これが、このことわざの由来というわけです。
一方、夏は梅雨前線や日本の南側から張り出す太平洋高気圧の影響が大きくなり、冬は日本の北側のシベリア高気圧とアリューシャン低気圧の影響が大きくなります。これらの高気圧や低気圧は春や秋のものと違ってほぼ停滞しながら、その場所で強くなったり弱くなったりを繰り返します。春や秋のように西から東に天気が移り変わるわけではないので、あまりこのことわざが当てはまらなくなります。
ただし、これ以外にも夕焼けをもたらす気象条件は様々で、一概には言えないところもあります。あくまで一つの傾向と言えるでしょう。

各季節における天気の特徴
各季節における天気の特徴

東京は各地で次々と「ダイヤモンド富士」期間に突入

さて美しい富士山のシルエットをご覧いただいたわけですが、都内の各地では、夕焼けの中、富士山頂に太陽が重なる瞬間にダイヤモンドのように輝く「ダイヤモンド富士」が見られる時期となりました。ダイヤモンド富士が見られる条件は、①富士山と太陽の方角が一致すること、そして②気象条件です。実は、きょうは東京タワーにおけるチャンス日だったのですが、気象条件としてはばっちりだったはず。偶然その姿を目にすることができた方もいらしたかもしれません。
ダイヤモンド富士が見られる場所は、日々刻々と変わっていきます。都心では、およそ11月上旬から12月上旬の数日間(場所によって変動)で、見ごろは日没前の16時30分前後となる見込みです。なお、今週末には東京スカイツリーが方角の条件として当てはまります。各場所における詳細な日時は、各施設などのHPの情報を参考になさってください。天気予報をチェックをしつつ、この時期ならではの美しい光景をご覧になってはいかがでしょうか。