今年の各地の紅葉の見ごろは、北日本と東日本は例年よりも遅く、西日本は例年並の所が多いでしょう。また3連休は北海道や東日本の山地では紅葉が見ごろを迎えますが、土曜日と月曜日は、日本海側の一部を除いて紅葉狩り日和となりそうです。

2015年全国各都市における紅葉の見ごろ予想(2015年10月9日発表)
2015年全国各都市における紅葉の見ごろ予想(2015年10月9日発表)

各地における紅葉の見ごろは?

日本気象協会は、2015年の紅葉見ごろ予想を発表しました。
紅葉は気象条件に大きく影響を受け、秋の気温が低いと早まり、高いと遅くなります。気温に着目して、各地の今年の紅葉の見ごろ予想をお伝えします。
【北日本(北海道・東北)】
北日本は、9月の気温は平年並でした。10月以降の気温は平年よりも高い見込みです。
このため、各地の紅葉の見ごろは、例年よりも遅い所が多いでしょう。
10月になると朝晩は冷え込む時期がありますので、色づきはよさそうです。
平地での見ごろの時期は、札幌で10月下旬、仙台で11月下旬頃の見込みです。
【東日本(関東甲信・北陸・東海)】
東日本は、9月の気温は平年よりも低くなりました。
10月の気温は平年並か高く、11月の気温は平年よりも高い見込みです。
このため、各地の紅葉の見ごろは、例年並か遅いでしょう。
10月になると標高の高い所では朝晩の気温が低くなりますので、色づきが進みそうです。
平地での見ごろの時期は、東京で11月下旬、新潟で11月中旬、名古屋で11月下旬頃の見込みです。
【西日本(近畿・中国・四国・九州)】
西日本は、9月の気温は平年よりもかなり低くなりました。
10月の気温は平年並か高く、11月の気温は平年よりも高い見込みです。
このため、各地の紅葉の見ごろは、例年並の所が多いでしょう。
10月になると標高の高い所では朝晩の気温が低くなりますので、色づきが進みそうです。
平地での見ごろの時期は、大阪で12月上旬、広島で11月中旬、高松で11月中旬、福岡で11月下旬頃の見込みです。

なぜ秋になると紅葉するの?

ところで、秋になると落葉樹の葉の色が変わるのはどうしてでしょう。その秘密は「色素」にあります。葉の色素は、3種類。緑色がクロロフィル、黄色がカロテノイド、赤色がアントシアンです。これらのうち、どの色素が多いかによって葉の色が決まります。
通常、葉にはクロロフィルとカロテノイドが含まれています。しかし乾燥して寒くなってくると、最小限の水分と養分で冬を乗り越えられるよう葉を落とす準備をはじめ、葉への養分や水分の供給をストップします。すると、クロロフィルは衰え、分解されて徐々に緑色は消えていきます。美しい紅葉は、冬に向けて葉を枯らすための準備の現れだったのです。
イチョウが黄色くなる理由はシンプルで、このようにクロロフィルが少なくなることによってカロテノイドが残り、黄色く色づくのです。
一方で、カエデが赤くなる理由は少し複雑。寒くなって、クロロフィルが消えていくところまでは同じなのですが、このとき葉には、光合成によって生まれた糖がどんどんたまっていきます。これらの糖は、紫外線を浴びるとアントシアンに変身します。こうしてカエデなどの葉は赤く色づくのです。
これから紅葉シーズン。赤や黄色の葉を見かけたら、この豆知識を思い出して見てください。

葉が色づくしくみ(上:イチョウ 下:カエデ)
葉が色づくしくみ(上:イチョウ 下:カエデ)

紅葉シーズンスタート!3連休は紅葉狩りへ

さて、あすから3連休が始まります。少し遠くへお出かけを考えている方も多いのでは?
冒頭で各都市での紅葉見ごろ予想をお伝えしましたが、北海道や東日本の山地ではすでに紅葉が見ごろを迎えています。10月1日からスタートしたtenki.jpの『紅葉情報』では、全国約800地点の、最新の紅葉色づき状況を毎日更新しています。さらに、あさってまでの天気予報も一緒にチェックすることができますよ。
3連休の天気は、11日は北日本から東日本にかけて雨のところが多くなりますが、10日と12日は東北から北陸の日本海側を除いて全国的に晴れて紅葉狩り日和となるでしょう。
木々が冬への準備をする時間はあっという間。美しい紅葉をぜひお見逃しなく。

全国の紅葉状況(2015年10月9日現在)
全国の紅葉状況(2015年10月9日現在)