気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。エルニーニョ現象は、来年春まで続く可能性が高いとしています。

エルニーニョ現象とは?

太平洋赤道域の中部(日付変更線付近)から南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
エルニーニョ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こるとされています。

エルニーニョ現象 来年春まで続く可能性

●9月のエルニーニョ監視水域
海面水温の基準値との差は+2.6度でした。9月としては1950年以降、2番目に大きな値です。
●9月の天候への影響
日本では「東日本や西日本の低温」が、海外では「インドの高温」「南米北部の高温・少雨」がエルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していました。また、オーストラリアでは、9月としては過去3番目に降水量が少なくなっており、これもエルニーニョ現象の影響だとされています。
●エルニーニョ現象 続く
毎月の海面水温について、その月と前後2か月を含めた5か月の平均を「5か月移動平均値」と呼び、エルニーニョ現象に関わるゆっくりとした変動を抽出しています。
2015年5月から9月までの「5か月移動平均値」は、基準値と比べると、+1.9度でした。2014年6月から2015年7月までの14か月間、+0.5度以上となっており、エルニーニョ現象が続いているといえます。
●エルニーニョ現象 来年春まで続く可能性
気象庁は、先月まで「エルニーニョ現象は、冬にかけて続く可能性が高い」としていましたが、今後も海面水温の高い状態が続きそうなことから、今回は「来年春まで続く可能性が高い」と発表しています。また、アメリカ海洋大気庁(NOAA)も同じように「来年春まで続く」という認識を示しています。
●インド洋熱帯域の海面水温
インド洋の海面水温も基準値より高い値でした。今後、春にかけて高い状態が続くと予想されています。