7日に発生した台風18号。名前はアメリカが用意した「Etau」(アータウ)で「嵐雲」という意味。「Etau」と名付けられた台風は2003年、2009年にもあったのですが、いずれも日本に上陸または接近し、甚大な被害をもたらしたのです。

台風の名前は誰が決める?

台風には従来、アメリカが英語名(人名)をつけていました。
しかし2000年、台風防災に関する国際機関「台風委員会」(日本ほか、北西太平洋や南シナ海領域の14か国などが加盟)が、加盟国が用意した名前をつけることに決めました。
2000年の台風1号に、カンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」という名前がつけられました。
以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いています。
一巡したら、再び「ダムレイ」に戻るのです。
日本からは「テンビン」「ヤギ」「ウサギ」など、星座の名前が用意されています。
なお、現在発生している台風17号のように、日付変更線より東側で発生したハリケーンが台風に変わったものについては、発生した地域のハリケーンセンターがつけた名前をそのまま使います。
ハリケーンは、かつて女性の人名のみがつけられていましたが、男女同権に反するということで、1979年以降は男女の人名が交互に使われています。

2003年台風10号 三たび上陸、広く大雨に

今回の台風18号と同じ「Etau」が最初に使われたのは、2003年8月に発生した台風10号でした。
フィリピンの東海上に発生した台風10号は、発達しながら北西に進み、沖縄本島を通過。
奄美諸島沿いを進んだ後、強い勢力を保ったまま高知県室戸市付近に上陸。
その翌日には、兵庫県西宮市付近に再上陸しました。
その後、勢力を弱めながら北陸、東北地方を通過し、北海道の襟裳岬付近に三たび上陸した後、
国後島付近で温帯低気圧になりました。
台風が日本を縦断する形で進んだため、九州から北海道にかけての広い範囲で大雨となりました。
期間中(8月7日~9日)の降水量は、四国では600ミリを超え、九州・近畿・東海で400ミリ、
関東・北海道も200ミリを超えました。
消防白書によると、この台風による死者は17名に。
住宅の全壊や床上・床下浸水などの被害も多くありました。

2009年台風9号 上陸しなくても記録的な大雨

次に「Etau」という名前が使われたのは、2009年8月に発生した台風9号。
日本の南海上で発生し、北上。四国や紀伊半島の南海上を通過しました。
その後は東海地方から関東の東海上を通って、日本の東海上で熱帯低気圧になりました。
上陸はしなかったものの、湿った空気が流れ込み、
西日本および東日本の太平洋側と東北地方の一部で大雨に。
期間中の降水量(8月8日~11日)は、四国では700ミリを超えた所があったほか、
中国地方や近畿地方の一部では、8月の月降水量平年値の2倍を超える記録的な大雨となりました。
消防白書によると、この大雨による死者は25名に。
住宅の浸水は6700棟を超えるなど、各地で被害が発生しました。

今回の台風18号 上陸のおそれも

2009年以来、6年ぶりに「Etau」の名前がつけられたのが、今回の台風18号。
この後は北上を続け、10日木曜ごろには日本に上陸するおそれがあります。
前回、前々回のような甚大な被害が出ないよう、事前に備えをしておきたいものです。
そのためにも、台風の進路や予想される影響について知っておくことが重要です。
今後もtenki.jpは最新の台風情報を提供していきますので、ぜひ活用してください。