日本の南岸には秋雨前線が停滞中。一方、はるか東に目を向けると、日付変更線付近に明瞭な雲の渦が。この雲の渦、現段階では「ハリケーン」ですが、今後「台風」に変わる可能性があります。

9月のスタートはグズグズ天気

上の画像は、31日午前10時ごろに撮影された、ひまわり8号からの画像。大陸から本州の南岸にかけて、秋雨前線に伴う雲がのびています。この前線は、9月1日も停滞する予想。1日火曜は、広い範囲で曇りや雨のスッキリしない天気となるでしょう。
前線から遠い北海道や東北は、晴れ間も出る見込み。ただ、湿った空気が流れ込みやすく、所々で雨が降るでしょう。全国的に傘の出番が多くなりそうです。

日付変更線付近に雲の渦 その正体は?

一方、はるか東に目を向けてみると、明瞭な雲の渦があることがわかります。この正体は、ハリケーン「Kilo」。31日夜の段階では日付変更線より東に位置しているため、「ハリケーン」として扱われています。
ただ、このハリケーンが西よりに進み、日付変更線をこえて北西太平洋に進んでくると、「ハリケーン」ではなく「台風」に呼び方が変わります。
最近では、7月にトロピカルストーム(日付変更線より東側で生まれたハリケーンのたまご)が日付変更線をこえて「台風12号」に。台風12号は沖縄や奄美に接近後、長崎県佐世保市付近に上陸しました。
現在発生しているハリケーン「Kilo」も、西よりに進んで台風となり、日本付近に近づいてくる可能性があります。今後の情報に注意してください。

ハワイ付近で珍しい現象 エルニーニョ影響か

ハリケーン「Kilo」が発生したのは、中部太平洋。ハワイの近くでもあります。31日現在、中部~東部太平洋には3つのハリケーンが発生しています。3つのハリケーンは、一時期はハリケーンの階級としては2番目に強い「カテゴリー4」まで発達。アメリカの国立ハリケーンセンターによると、中部~東部太平洋でカテゴリー4のハリケーンが3つ発生するのは、非常に珍しいということです。
また、エルニーニョ現象によって中部~東部太平洋の赤道付近の海水温が高くなっています。海水温が高くなると、雨雲が発生しやすくなり、ハリケーンや台風のもとである熱帯低気圧が発生しやすくなります。ここでも、大規模なエルニーニョ現象が影響しているようです。