鹿児島県はこれまでの雨で地盤が大変緩んでいます。今月の降水量が24日、1993年7月に記録した観測史上1位にほぼ並びました。1993年7月の雨と、今後の雨の降り方をお伝えします。

今年は、梅雨前線が九州南部付近に停滞することが多くなっています。鹿児島市の今月の雨量は、24日18時までに1051.5ミリ。1993年7月に記録した観測史上1位の値まであと少しです。
鹿児島県では雨が降り続いて地盤が緩んでいるため、大雨になると大きな災害が起こりやすくなっています。
例えば、水がいっぱいに入っているバケツに大量の水を入れます。すると当然、水はバケツからあふれてしまいます。そのようにして起こったのが「平成5年(1993年)8月豪雨」です。

平成5年(1993年)8月豪雨とは

1993年7月31日から8月7日にかけて、九州南部を中心とした大雨が降り、九州・中国・四国地方で被害がありました。
大雨の原因は、梅雨前線です。梅雨前線に向かって、太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が入り、九州では大気の状態が不安定になりました。また、低気圧が前線の上を進み、前線の活動が活発になりました。
鹿児島県では雨が1000ミリほど降った所に、1日で400ミリ以上の雨が降りました。結果、がけ崩れや山崩れが数多く発生しました。また、甲突川、稲荷川などが氾濫し、住家の浸水や道路の冠水、停電や断水、路面電車が乗客を乗せたまま孤立するなど都市機能が麻痺しました。

鹿児島県 今後の雨は?

梅雨前線は西から北上し、26日金曜日には梅雨前線上に低気圧が発生する見込みです。暖かく湿った空気が入り、前線の活動が活発になるでしょう。

鹿児島県では25日木曜日、1時間50ミリの滝のような雨が降るおそれがあります。そして、日曜日ごろにかけて雨が降り続く見込みです。
土砂災害に警戒するとともに、低い土地の浸水や川の増水にご注意ください。