高速道路には、もしもの場合に備えて非常電話が設置されています。非常電話は突発的なトラブルが発生した場合に役立つ設備ですので、いざというときのために正しい使い方を覚えておきましょう。
今回は、高速道路の非常電話を使う場面や、非常電話の設置場所、基本的な使い方について解説します。

高速道路の非常電話はどんなときに使うの?

高速道路の非常電話は、その名のとおり、非常事態が発生した場合に利用するものです。具体的には、交通事故や自動車の故障、災害(落石や倒木など)が発生した場合の緊急連絡に用いられます。

■携帯電話との違いは?

高速道路の非常電話と携帯電話の違いは大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、通信手段です。携帯電話は、基地局のアンテナと電波で交信することによって通話可能になるため、電波が届かないところでは使用できません。一方、非常電話は道路管制センターと専用回線で繋がっているため、電波の有無にかかわらず、緊急連絡することが可能です。

2つ目は、電池切れの有無です。携帯電話はバッテリーが切れると使用不可となりますが、非常電話は常に電気が供給されているので、電池切れになる心配はありません。
ただ、非常電話は設置場所が固定されているので、携帯電話のようにいつでもどこでも好きなときに通話できるわけではありません。近場に非常電話がない場合、高速道路上を歩いて探すのは大変危険ですので、基本的には携帯電話が使えないときに非常電話を利用するという認識でよいでしょう。

携帯電話を使う場合は、道路緊急ダイヤル(#9910)にかければ、直接道路管理者に連絡することができます。[注1]
なお、携帯電話は車外に出て利用しましょう。車内に残ったまま通話していると、後続車に追突されたときに大けがを負ってしまう可能性があるからです。携帯電話はガードレールの裏など、安全を確保できる場所でかけましょう。

[注1]国土交通省:「12月23日より道路緊急ダイヤル(#9910)への携帯電話からの通報が無料になります」

高速道路の非常電話はどこにある?

高速道路の非常電話は、以下の場所に設置されています。

・本線上
・トンネル内部
・インターチェンジ
・サービスエリア
・パーキングエリア
・バスストップ
・非常駐車帯

本線上は左路肩に1km間隔で、トンネル内部は約200m間隔で設置されていますが、場所によってはもっと短い間隔で設置されているところもあります。たとえば首都高速の場合、本線上は500m間隔、トンネル内部は100m間隔で非常電話が設置されています。
非常電話がある場所の上部には、受話器のマークと「非常電話」という文字が記された標識がありますので、初めて利用する人でも見つけやすいでしょう。

高速道路にある非常電話の使い方

高速道路の非常電話は、道路管制センター直通の専用電話ですので、一般的な電話のように番号を入力する必要はありません。非常電話ボックスの扉を開けて、受話器を上げるだけで自動的にセンターに繋がりますので、そのまま通話を開始しましょう。
センターに繋がったら、発生したトラブルの内容を伝えます。係員から現場の状況や負傷者の有無などを尋ねられますので、非常電話をかける前に必要な情報をある程度まとめておくとよいでしょう。
何らかの理由で通話が難しい場合は、非常電話に設置されているボタンを押して通報することも可能です。ボタンは「故障」「事故」「救急」「火災」など複数に分かれており、発生したトラブルに応じて押せば、会話をしなくても何があったか伝えられます。
なお、非常電話からの緊急連絡は24時間365日体制で受け付けています。曜日や時間帯に関係なく利用できますので、トラブルが発生したら速やかに通報しましょう。

■非常電話を使うときの注意点

非常電話を使う際は、一度車外に出る必要があります。
非常電話は車の進行方向に合わせて左路肩に設置されているので、道路を横切る必要はありません。しかし、本線やトンネルでは常にほかの車が高速で走っているので、徒歩で移動して、非常電話を探すこと自体が大変危険です。
非常電話まで歩くときは、後方の車に十分注意しながら車外に出た後、ガードレールの外側を移動するようにしましょう。また、通報を終えた後も、道路巡回車が来るまではガードレールの外側で待機します。

高速道路では安全運転を心がけよう!

高速道路で事故や故障などのトラブルが発生したときは、非常電話を使って通報することが可能です。道路管制センターに連絡すると道路巡回車が駆けつけて対応してくれますので、トラブルが起きたときはあわてず連絡しましょう。
非常電話は受話器を上げるだけで自動的にセンターに繋がりますので、通報先を調べる必要はありません。もちろん、通報するようなトラブルは未然に防ぐに越したことはありません。
高速道路は一般道路に比べて車のスピードが速い分、事故の発生率が高くなりやすい傾向にあります。さらに雨や雪が降っていたり強風が吹いていたりすると、ますますリスクが上昇しますので、高速道路を走行するときは事前に現地の天気を確認しておくことをおすすめします。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、気象影響リスクのある道路区間を一覧で掲載する「道路の気象影響予測情報」をWeb上で公開しています。
気象影響予測でリスクありと表示されている高速道路を走行する場合は、いつも以上に安全運転を心がけましょう。