感染症が流行している時期や、花粉症が飛散している間は、毎日マスクを着用している人も多いでしょう。マスクは衛生用品なので常に清潔な状態をキープする必要がありますが、自宅で洗濯することは可能なのでしょうか。
今回は、マスクを自宅で洗濯できるかどうかについて解説するとともに、マスクを自宅でお手入れする際の方法をご紹介します。

マスクは洗濯できる?

近年はエコの観点から、洗って繰り返し使えるマスクが広く流通しています。ただ、マスクを自宅で洗濯できるかどうかは、素材やつくりによって異なります。そのため、現在使っているマスクを洗濯する際は、パッケージなどに記載されている洗濯表示を必ず確認することが大切です。

洗い桶に数字やアンダーラインの入ったイラストが描かれている場合は、家庭用洗濯機でお手入れ可能です。[注1]
数字は液温、アンダーラインは1本が「弱い洗濯」、2本が「非常に弱い洗濯」を意味していますので、洗濯時のモードや水温を選ぶときの参考にしましょう。
洗い桶に手のイラストが描かれている場合は、手洗いで洗濯できることを示しています。一方、洗い桶に×マークが入っている場合は自宅で洗濯できません。たとえば不織布の使い捨てマスクや、医療用マスク・産業用マスクなどは家庭での洗濯に適していませんので、自宅でのお手入れは控えましょう。

[注1]消費者庁:「洗濯表示(平成 28年12月1日以降)」

マスクを手洗いする方法

マスクを手洗いする場合の基本的な手順をご紹介します。

■1. しっかり手を洗う

汚れた手でマスクを洗うと、手に付着した汚れがマスクに移る原因となります。マスクを手洗いする際は、事前にしっかり手を洗って清潔な状態にしておきましょう。

■2. マスクをつけ置き洗いする

洗面器などの容器に水を張り、適量の洗剤を溶かします。そこにマスクを静かに浸し、10分ほど放置します。

■3. マスクを押し洗いする

10分経過したら、洗剤に浸したマスクを優しく押し洗いします。気になる汚れがある場合はスポンジや手を使って優しく叩き洗いしましょう。ごしごし擦り洗いするとマスクの生地が傷んでしまうので要注意です。

■4. きれいにすすぐ

容器の水を何度か替えて、泡が出なくなるまできれいにすすぎます。ここでもマスクを擦ったり、乱暴に揉み込んだりするのは厳禁です。

■5. 水気を切る

すすいだマスクを両手で挟み、軽く押し込んで水気を切ります。その後、タオルやキッチンペーパーに挟み、上から押して水気を拭き取りましょう。

■6. マスクを干す

マスクの形を整えてから外干しまたは部屋干しします。色や柄がついたマスクは色あせの心配がありますので、直射日光の当たらない場所で陰干ししましょう。
なお、耳にかける紐をピンチで挟んで吊り干しすると、生地が伸びてしまうおそれがあります。タオルなどの上に広げて平干しすれば、紐の部分に負担がかからず、マスクを長持ちさせられます。

マスクを洗濯機で洗う方法

マスクを家庭用洗濯機で洗う場合の基本的な手順をご紹介します。

■1. つけ置き洗いする

手洗いするときと同じく、事前に適量の洗剤を溶かした水入りの容器に10分ほどつけ置き洗いしておきます。

■2. 洗濯ネットに入れる

マスクをそのまま洗濯機に入れると、型崩れや毛羽立ち、シワの原因となります。マスクは必ず洗濯ネットに入れてから洗濯するようにしましょう。
洗濯ネットにはさまざまなサイズがありますが、マスクに対して大きすぎるネットを使用すると、中でマスクが動いて型崩れや毛羽立ちが起こる場合があります。洗濯ネットはマスクのサイズに合った小さめのものを用意しましょう。
また、複数のマスクを洗うときは、1つの洗濯ネットごとに1枚のマスクを入れます。複数のマスクを1つの洗濯ネットに入れると、マスク同士の菌や汚れが移ってしまう可能性があるので要注意です。

■3. 手洗いコース、ソフトコースなどで洗う

標準コースで洗うと、水の勢いでマスクの生地が傷んでしまう可能性があります。マスクを洗うときは手洗いコースやソフトコースなど、弱水流モードを選択しましょう。
なお、マスクはほかの衣類とのまとめ洗いが適していません。マスクに付着した菌が衣類に移る可能性がありますし、衣類の重みでマスクが潰れて型崩れする原因にもなりますので、マスクはマスクだけで洗うようにしましょう。

■4. 脱水にかける

マスクはもともと生地が薄いので、長時間脱水にかける必要はありません。長く脱水にかけると生地への負担が大きくなりますので、いつもより短めの時間に設定してさっと脱水するのがポイントです。

■5. マスクを干す

手洗いと同じ要領でマスクを干します。家庭用洗濯機を使うとシワが寄りやすいので、形を整える作業は丁寧に行いましょう。

マスクはこまめに洗濯して清潔な状態をキープしよう

マスクは素材やつくりによっては自宅で洗濯することが可能です。手洗いの場合はつけ置き洗いの後に優しく押し洗いするのがポイントです。洗濯機の場合は同じようにつけ置き洗いした後、弱水流モードで洗い、短時間の脱水で仕上げましょう。
なお、市販のマスクのなかには家庭で洗濯できないものもありますので、事前に洗濯表示をよく確認することが大切です。マスクは外干しも部屋干しも可能ですが、雨で湿気を含むとカビが生えるおそれがありますので、天気に合わせて干す場所を選びましょう。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、洗濯物の乾きやすさを指数で表す「洗濯指数」をWeb上で公開しています。マスクを洗濯するときは洗濯指数を事前に確認し、その日に適した方法で干すようにしましょう。