雪山装備を持っていないから冬は登山をお休み…という方もいるかもしれませんが、冬も雪山装備不要で登れる山があります。冬の天候のポイントとともに、雪山装備不要のおすすめの山を紹介します。

冬でも登山を楽しもう

今年1月は下旬になって強烈な寒波が到来し、日本海側で広く大雪になるとともに、記録的な低温になったところもありました。関東太平洋側の山沿いでも降雪があったので、冬の登山はやっぱり難しいのか…?と感じた方も多いかと思います。しかし、雪山装備がなくても登山ができる山もなかにはあります!
例えば、冬季も営業している山小屋では、おでんや甘酒などのホットメニューの提供があり、春~秋には味わえない楽しみもあるため、冬ならではの登山を楽しむことができます。

冬の天候

一般的に冬の日本付近は、西に高気圧、東に低気圧という「冬型の気圧配置」となりやすく、日本海側の地域では北からの季節風が吹きつける影響で、くもりや雪となる日が多くなります。
上記の画像は強い寒気に日本が覆われた今年1月25日の天気図です。等圧線間隔(白い線)が狭くなっている場合、その間のエリアは強い風が吹くことが予想されます。(上記画像の北・東日本)こういった時は平地でも交通機関等への影響が生じることが考えられますので、たとえ低山だとしても登山はお勧めできません。

また、南岸低気圧の接近が予想されるときも注意が必要です。太平洋側に雨や雪をもたらす場合があり、雨になるか、雪になるかは、そのときの上空の気温次第ですが、天気が崩れる可能性が高いです。低気圧通過中は風も強く視界が悪くなり、登山には不適です。
このように、事前に天気予報の確認をしておき、気象状況が厳しそうであれば、計画を中止することも大切な判断です。

雪山登山装備なしで行けるおすすめの山

太平洋側の低山は、冬でも雪山登山装備なしで登れる山が多いですが、その年の気象状況によっては積雪している場合もあります。山小屋や登山専門サイト・アプリ等の登山の記録等で現状確認する方法もありますが、「tenki.jp登山天気」(有料)の「積雪マップ」でも確認が可能です。上記の画像を見ると、多摩地区の鷹ノ巣山は5cm未満の積雪がありますが、三頭山は積雪がないことがわかります。

この時期におすすめの山3つを紹介します。
■丹沢大山(1252m)
神奈川県にある丹沢大山はケーブルカーでも登れる、都心からアクセスしやすい山です。同じ丹沢でも鍋割山は距離が長いですが(約16km)、大山は7kmのため、比較的に登りやすいです。

■伊豆ヶ岳(851m)
埼玉県飯能市にあり、奥武蔵の代表的な山です。最寄り駅の正丸駅から伊豆ヶ岳頂上まで歩き、正丸駅に戻るコースは約8.6kmです。

■高尾山(599m)
年間300万人が訪れる高尾山はアクセスがよく、登山道が整備され登りやすい山です。一般的なルートは高尾山口駅から登りますが、梅ノ木平から登る「湖のみち」がおすすめです。津久井湖や相模川を見つつ、城山、高尾山に行き、最終的に高尾山口に戻ってきます。

ここで紹介した3つの山も、タイミングによっては積雪している恐れがあります。事前に調べて万全の準備で臨み、チェーンスパイクやアイゼンが必要な道であった場合は、無理せずに引き返しましょう。