登山をするのに必須アイテムの登山靴ですが、デザイン性や機能性に優れたものは価格が高く、なかなか購入に踏み切れなかった人もいますよね。そんな思いをしてまで購入した登山靴ですから、少しでも長く使い続けたいところです。

登山靴を長く使うために重要になってくるのがお手入れですが、同じ登山靴でも素材が違うとお手入れ方法が異なります。そこで今回は、登山靴を長く使うための素材別お手入れ方法と保管方法をご紹介します。

登山靴を長く履き続けるためのお手入れ方法をご紹介します
登山靴を長く履き続けるためのお手入れ方法をご紹介します

革製(スエード・ヌバック)の登山靴のお手入れ方法

まずはスエードやヌバックなど、革製の登山靴をお手入れする流れを見ていきましょう。

1.靴紐を外す
2.インソールを取り出す
3.シューズ表面の汚れを水洗いで落とす
4.ソールの汚れを落とす
5.2〜3日乾燥させる
6.保革クリームを塗る
7.はっ水スプレーを吹きかける

面倒に感じるかもしれませんが、必ず靴紐を外しましょう。このとき靴紐に損傷がないかチェックしてください。登山靴の汚れは基本的に水洗いで落とせますが、汚れがひどいときには専用のクリーニング剤を使ってください。

革製の登山靴は汚れを落としただけではダメで、そのあと革を守るための保革と防水の処理をする必要があります。シューズをしっかりと乾燥させてから、保革クリームを塗り、はっ水スプレーを吹きかけましょう。

革製の登山靴ははっ水スプレーを吹きかける前に保革クリームを塗る
革製の登山靴ははっ水スプレーを吹きかける前に保革クリームを塗る

人工素材製(ナイロン・人工皮革)の登山靴のお手入れ方法

ナイロンや人工皮革でできた登山靴は、劣化しにくいのが魅力ですが、ノーメンテナンスでいいわけではありません。

1.靴紐を外す
2.インソールを取り出す
3.シューズ表面の汚れを水洗いで落とす
4.ソールの汚れを落とす
5.2〜3日乾燥させる
6.保革クリームを塗る
7.はっ水スプレーを吹きかける

基本的な流れは革製の登山靴と同じで、保革クリームを塗り込む作業が不要になるだけです。ただし、部分的に皮革パーツを使用しているのであれば、乾燥後に革の部分に保革クリームを塗ってから、はっ水スプレーを吹きかけてください。

人工素材の登山靴もお手入れは必要です
人工素材の登山靴もお手入れは必要です

登山靴を長持ちさせるための保管方法

せっかくお手入れした登山靴も、保管方法を間違えると、寿命があっという間に縮まってしまいます。そうならないための保管方法を見ていきましょう。

・風通しのいい場所で保管する
・シューズボックスや収納袋で保管しない
・直射日光を避ける
・高温になる場所はNG

基本的には風通しのいい場所で保管すればOKです。自宅の靴箱でも構いませんが、湿度が上がりやすい場所は避けてください。また購入時に登山靴が入っていたシューズボックスや、持ち運び用に使っている収納袋も長期の保管には適していません。

絶対に避けなくてはいけないのが直射日光で、ベランダや庭などの日当たりのいい場所には保管しないでください。また、車の中のように高温になる場所では、登山靴に使用している接着剤が溶け出す可能性があるので、車に置きっぱなしにしないように注意してください。

登山靴は直射日光と高温多湿を避けて保管しよう
登山靴は直射日光と高温多湿を避けて保管しよう

登山靴を買い換えるタイミング

いくら定期的にお手入れしていても、登山靴には寿命があります。寿命を迎えているのに無理して履き続けると、登山途中にソールが剥がれたり、ソールが滑って転倒したりします。そうならないように、登山靴が寿命を迎えたら迷わず買い換えましょう。

・購入から5年経過
・ミッドソールにヒビが入っている
・ソールが剥がれかけている
・アウトソールが半分以上すり減っている

このいずれかに該当するなら、そこが買い換えのタイミングです。お手入れをしっかりしていると、5年くらいではまだまだ履けそうに思えますが、実際にはソール素材が劣化しており、いつ壊れてもおかしくない状態です。

2,000m級の山を登っている途中で、ソールが剥がれたことを想像してみてください。そこから裸足に近い状態で下山しなくてはいけなくなります。それがいかに危険なのかは説明しなくてもわかってもらえますよね。そうなる前に買い換えるようにしましょう。

ただし、メーカーによってはソールの張り替えを行っています。アッパーに問題がないのであれば、ソールの張り替えをするだけで、登山靴は新品同様のグリップ力を取り戻します。自分の足になじんだ登山靴を使い続けたいという人は、買い換えではなくソールの張り替えも検討してみてください。

登山靴は履いていなくても劣化するので5年で買い換えるのが基本
登山靴は履いていなくても劣化するので5年で買い換えるのが基本