普段はほとんど運転しないペーパードライバーでも、年に一度の旅行や帰省などで久々に高速道路を利用するという人も多いのではないでしょうか。高速道路は一般道路に比べるとスピードが出やすく、事故を起こすリスクは高くなるといわれています。

特にペーパードライバーの人は日常的に運転する習慣がありませんので、高速道路を走行する際はより安全運転を心がけることが大切です。
今回は、ペーパードライバーが高速道路を安全に走るコツや、走行時の注意点について解説します。

ペーパードライバーが高速道路を安全に走るコツ

ペーパードライバーが高速道路を安全に走るために押さえておきたいコツを3つ紹介します。

■1. 合流時は十分に車を加速させる
高速道路の本線には加速した車がたくさん走っているので、ペーパードライバーの人はなかなか合流のタイミングをつかめず、助走路で減速してしまいがちです。しかし、車のスピードを落としてしまうと、本線を走る車のスピードの波に乗れず、かえって合流しづらくなってしまいます。

また、先頭でまごついていると、焦れた後続車が先に本線に合流しようとして、接触事故が起こるリスクが高くなってしまいます。助走路では本線を走る車と同じか、あるいは少し速いスピードを出せるくらい十分に加速した方が、スムーズに本線に合流しやすくなるでしょう。

■2. 左端の道路を走る
高速道路は走行車線と追い越し車線の2つに分かれています。追い越し車線は文字通り前の車を追い越すときに利用する車線なので、追い越し時以外の走行は原則として禁じられています。特にペーパードライバーの人は、無理に前の車を追い越そうとすると事故リスクが高くなりますので、追い越し車線は基本的に利用せず、左端の走行車線を走ることを意識しましょう。

ただ、左端の走行車線は、ICやSAなどから合流する車が入り込んでくる車線でもあります。スムーズに入ってくれるのであれば問題ありませんが、強引な割り込みをされたり、減速した車が入ってきたりするとひやりとさせられる可能性もあります。

カーナビや標識などを見て、少し先に合流地点があることがわかったら、少し手前で追い越し車線に移動しておいた方がよいでしょう。合流地点を通り過ぎたら速やかに走行車線に戻ることを忘れずに。

■3. 80km/hは常に維持するよう心がける
道交法施行令では、高速自動車国道における一般自動車の最高速度を100km/h、最低速度を50km/hと定めています。[注1]

この範囲内で走行していれば法律違反にはなりませんが、実際には80km/h以上のスピードで走行している車がほとんどです。スピードを出すのが怖いからといって、80km/h以下のスピードで走行していると、後続車に追い越される回数が多くなったり、周囲の走行ペースの波に乗れなかったりして、かえって事故を起こすリスクが高くなりがちです。

ペーパードライバーの人はスピードを出すことに抵抗を覚えるかもしれませんが、安全に走行したいのであれば、80km/hくらいのスピードは常に維持するよう心がけましょう。

[注1]e-Gov法令検索:道路交通法施行令

ペーパードライバーが高速道路を走行するときの注意点

ペーパードライバーの人が高速道路を走る際に注意したいポイントを2つ紹介します。

■1. 大型車両の後ろは避ける
大型トラックや高速バスなどの大型車両は車高が高いので、後ろにつくと前方の視界がふさがれてしまいます。

高速道路では一般道路よりスピードを出しているぶん、減速したり、停止したりするまでに長い距離を要します。前方が見えない状態で走行していると、渋滞が発生しているときや、道路がカーブしているときに急ブレーキをかけることになりかねず、事故を起こすリスクが高くなってしまいます。

ペーパードライバーの人は走行車線を走るのが基本と説明しましたが、トラックやバスが前を走行しているときは追い越してでも前方の視界を確保することをおすすめします。

■2. 適度に休憩を取る
ペーパードライバーの人が高速道路に乗ると、神経を使って心身ともに疲弊しがちです。特に高速道路は右左折や停止がないぶん、運転が単調になりやすく、熟練のドライバーでも眠気を催すことがあります。

できれば疲れを感じる前にSAなどに立ち寄り、適度な休憩をはさみながら走行するようにしましょう。

ペーパードライバーは強風時や大雨時は特に注意が必要!

高速道路はもともと事故リスクの高い場所ですが、特に強風が吹いていたり、大雨が降ったりしているときは、さらに注意が必要です。強風注意報や暴風警報などが発令されている際に、周囲に風を遮るものがない場所や、トンネルの出口付近を通ると、強風に煽られてハンドルを取られやすくなります。

また、大雨が降っているときは視界が悪くなる上、タイヤがスリップしやすくなり、接触・衝突事故やスリップ事故が多発する傾向にあります。特に運転が不慣れなペーパードライバーの人は十分注意する必要がありますので、事前に走行する予定の高速道路の状況をチェックしておきましょう。

ペーパードライバーが高速道路を運転する際は安全運転のコツと注意点を押さえておこう

ペーパードライバーの人が高速道路を運転する際は、合流のコツや車線の選び方、適切な走行スピードなどを押さえておくことが大切です。

あわせて、大型車両の後ろを走らない、適度に休憩を挟む、事前に高速道路の気象影響をチェックするなどの対策を行っておけば、安全かつ快適に高速道路を走行できるでしょう。

走行予定の高速道路の状況をチェックしたいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「道路の気象影響予測情報」をぜひ確認してみてください。